故横井軍平氏は、家庭用ゲーム機メーカーの任天堂の元開発部長で、携帯ゲーム機の生みの親として知られている人物です。 彼の開発哲学として知られている言葉に『枯れた技術の水平思考』があります。 これは、すでに広く使用されコストの安い技術を利用し、現在利用されているジャンルから離れ、まったく別の物に置き換えて使うことにより、新しい物を生み出そうと言う考え方であります。 この常識に囚われず、発想の転換をしようと言う話は、世間ではよく聞くことだが、いざ自分にそれができるかというと、なかなか良い発想が浮かばなかったり、斬新だと思った発想も先人がすでに失敗や挫折したものだったりするのはよくあることです。 また、プライドが邪魔をして、他人の新しい考えを素直に受け入れられずに、頭ごなしに否定することもままあります。 では、発想の転換が出来ない人は、どうすれば良いのか?無為に日々を過ごすのか? 私は新発想を邪魔をせず受け入れることは、新発想と同じぐらい難しく尊いことだと思います。 仏教の修行といえば聖道が常識だった鎌倉時代、専修念仏を提唱した法然上人は、画期的であるが故に既存仏教から激しい抵抗を受け、弟子の親鸞聖人と共に流罪となった。 そんな法然上人に素直に教えを乞うた宗祖親鸞聖人の尊さを、私たちは今、声明の度に感じることができるのです。
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