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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2014年  

  放送日 タイトル 法 話
484 2014年2月11日〜 家族の『死』にふれて 第5組円長寺 渡辺竜誠

 昨年の8月に、私は行年89歳の祖母を亡くしました。祖母は6年ほど前から入退院を繰り返し、その一年後に介護認定を受け、近くのデイサービスに通っていました。デイサービスには、うちの門徒さんも数多く通っていて、祖母は喜んで家を出ていっていました。天気の良い日は、送迎バスが迎えに来る前に自ら外に出て、じーっとバスが到着するのを待っているほどでした。
 デイサービスが無い日は、部屋で祖母を一人にしないように、誰かが一緒に居ることにしました。父や母が所用で面倒をみれない時は、私が一緒に部屋にいました。しかし、私は何をしていいか分からず、祖母が頼んだことしかできませんでした。
 そんな生活が続き、しばらくして祖母が段々弱り、気力や体力も落ち、亡くなる三週間前に最後の入院をしました。その時も、父や母が毎日看病をしに病院に通っていて、私はお寺で留守番という事が多くなり、私がお見舞いに行けたのは、たったの一回だけでした。
 そして、8月14日に祖母が亡くなり、お通夜が終わったその日の夜に、私は一人で祖母のお棺の前に座りました。そうすると急に涙があふれてきて、感謝の気持ちと後悔の念が同時に湧き起こってきました。祖母と孫というご縁をいただき、今まであたたかく見守ってくれて有り難うという感謝の気持ち。そんな祖母のために、ほかに出来ることがあったのではないか、なんでやってこなかったんだ、という後悔の念でした。
 私は僧侶として、ご縁をいただいた門徒の方々の『死』にたくさんふれてきました。しかし、家族という濃いご縁をいただいた人間の『死』は、また特別に苦しいのだと感じました。これが四苦八苦の中の一つ、愛別離苦(あいべつりく)。愛する者と別れ離れる苦しみなのだと知りました。



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