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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

TEL. 0584-78-3362

〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2014年  

  放送日 タイトル 法 話
506 2014年9月21日〜 東日本大震災から 第7組圓龍寺 鹿野映龍
 平成23年3月11日に起こった、東日本大震災。
 すでに3年半が経過し、時の流れの速さを感じます。しかしながら、復興(ふっこう)遅々(ちち)として進まず、特に原発事故が起きた福島県では、日々、放射能との戦いが続いています。福島県の方からお聞きする話は、何と表現して良いのかわからないことばかりです。
 願いはただ一つ。「普通に暮らせる空気と水と大地を取り戻したい。」
 この言葉を聞く時、私が有り難い、満たされた日々を過ごしているにも関わらず、愚痴三昧(ぎちざんまい)の暮らしをしていることを痛切(つうせつ)に感じます。
 普通に息が出来て、普通に蛇(じゃ)口(ぐち)から飲める水が出て、普通に歩ける。家族がいる。子どもが走り回れる。いただいた野菜を食べることが出来る。こんな有り難いことに囲まれているにも関わらず、それ以外の自己中心的な生活を過ごしています。
 どこまでも満足できない私が福島県へ何度も走るのは、福島県の皆さんの為だけではなく、ただただ、自分が生きている実感を得たいが為なのかも知れません。
 いつも確認させていただくことは、「邪見驕慢悪衆生(じゃけんきょうまんあきしゅじょう)」とは私のことだなぁということ。日々、愚痴を()らし、人をねたみ、(にく)むような「三毒(さんどく)」の生活を送り、自己中心的な思いで生きることに、本当の喜びがあるのか。そして、社会全体も、経済優先の考えの中で、合理的なモノばかりを優先し、弱者を切り離し、自分さえ良ければいいという感覚が蔓延(まんえん)しています。
 これだけ福島県の皆さんがご苦労されているにもかかわらず、まだ原発を動かそうと躍起(やっき)になっている現状があります。他人事(たにんごと)として、関心も示さない人がいます。 命がどんどんと後回しになっていく現代社会の中で、そのことを教えていただける震災を縁に、満足できない人としての悲しみを持ちながら、また福島へ走りたいと思います。


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真宗大谷派大垣別院開闡寺

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