本文へスキップ

真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

TEL. 0584-78-3362

〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

テレホン法話(0584-78-3452)TELEPHONE SERMON

 テレホン法話 2014年  

  放送日 タイトル 法 話
509・510 2014年10月21日〜 スピード違反を縁として 第6組超安寺 杉原 聡
 「運転手さん20キロオーバーです。」と警察の方に言われました。スピード違反をしてしまいました。
 そう言われるまで、自分が20キロもオーバーしているなんて気づきませんでした。早速、私の頭に浮かんだのが「運が悪い」という言葉でした。その日に限って、普段通らない道を選んだからです。いつもなら右折する交差点を、なぜか直進していたのです。思い出しました。それは右折するのに邪魔な車があったからでした。思い出した途端、「あの車のせいだ!」と腹が立ちました。
 20キロオーバーは紛れもない事実です。気づかなかったのは私の問題です。また、本当に私は運が悪かったのでしょうか。よくよく考えてみれば、普段から何度も速度超過を繰り返していますが、捕まったのは10年ぶりです。本来なら、捕まらなかった今までが「運がいい」と考えるべきところでしょう。「あの車のせいだ」にいたっては、言いがかり以外の何者でもありません。
 私は自分の都合が邪魔をして、事実を見れず、客観的に判断できず、責任転嫁をしたのです。わずか数秒の間に、しかも無意識のうちにです。これは本能のようなもので、理性では太刀打(たちう)ちできるものではないと感じました。
 唯一の収穫は、自分が都合よく生きていることを再確認できたことです。仏法とは、清く正しく生きるための処方箋(しょほうせん)ではありません。本当の自分の姿を否応(いやおう)なく知らしめるのが仏法でしょう。これも仏法に照らされた私の、ありのままの姿だと思いました。
 「運転手さん、安全運転でお願いしますね。」と警察の方に声をかけられ、解放された私は家路につきながら、以上のようなことを深く深く考えていたのです。
 そして、ふと気がつくと、また20キロオーバーしていました・・・。そう簡単に反省できないということも、私のありのままの姿のひとつとして追加しておきます。


バナースペース

真宗大谷派大垣別院開闡寺

〒503-0897
岐阜県大垣市伝馬町11番地

TEL 0584-78-3362
FAX 0584-78-3328
E-mail kaisenji@ogaki-gobosan.net