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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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 テレホン法話 2014年  

  放送日 タイトル 法 話
511 2014年11月11日〜 彷徨う者 第5組西生寺 稲葉一成
 プラネットという言葉をを辞書で引くと、惑星(わくせい)とでてきます。太陽の周りを回っている木星とか金星とか呼ばれるあの惑星のことです。先達て、どうして惑星の事を「(まど)う星」と書くかわかりますかと、尋ねられました。全く気にしたこともなかったのですが、惑星とは文字通り夜空を迷い惑って動くように見えるから、その様に呼ばれるのだそうです。同じくプラネットの語源も、ギリシャ語の「プラネテス=彷徨(さまよ)う者」からきているそうです。
 夜空を(いろど)る星たちは時間や季節によって場所を変えますが、いつも同じ配置、星座の形を保って規則正しく移動しています。しかし、惑星と呼ばれる星は変わった動き方をするようです。惑星は夜空の星座に対して、日ごとその居場所を変えます。実に気まぐれで、ある星に近づいてきたかと思うと今度は引き返し遠ざかり、また思い直して近づいてくる。夜空を右往左往している様に見えるそうです。
 何故この様に見えるかというと、「この地球も動いている」というのが理由で、錯覚(さっかく)、ただ単に見かけの問題だそうです。
 自分は動かずじっとしていると疑わないと、他が彷徨っている様に思えます。古代の天文学者を悩ませた気まぐれな星は、まさに彷徨っているようにしか考えられなかったのでしょう。
 仏教にご縁をいただいてまだほんの(わず)かですが、最近、人の思い迷う姿にであう機会が多くなりました。人の悩める姿を目の当たりにして、我が身を(かえり)みれば、(さと)ったような顔をしている自分もまた、浮き草の様に惑い(ただよ)っているのだなと感じます。地に足をつけたつもりでいても、その大地はもろく安定せず、しかもその事すら気付かず天動説で生きているばかりです。
 教典(きょうてん)釈尊(しゃくそん)の言葉として「アングリマーラよ、私は立ち止まっている。(なんじ)こそ止まれ」という一節があります。今こそ自らの彷徨いに気付き確認せねばなりません。


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