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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2015年  

  放送日 タイトル 法 話
525 2015年6月1日〜 話し合うことの重要性 第7組西照寺 吉田法照
 ある時、親の葬儀がきっかけで、兄弟が喧嘩(けんか)別れをしてしまうということがありました。兄夫婦が、お骨を弟夫婦に託し、「後の供養(くよう)はそちらでやってほしい、自分たちは別で供養するから」と言って兄弟が別れてしまいました。
 私は、なんとか和解できないものかと双方(そうほう)の話しを聞きましたが、お互いの主張は変わらず、それぞれ別々に供養していくという形に落ち着きました。
 そこでは、お互いの想いを率直に話して理解し合ったり、葬儀の段取りなども、勝手に決めずにお互い相談し納得した上で進める、といったことが無かったことがここまで関係がこじれた原因であったように見受けられました。現在もお互いにわだかまりが残ったままとなっていて、和解するにはまだ少し時間が必要かもしれません。
 このことから教えていただいたことは、どんな近しい間柄の人でも、ほんの些細(ささい)なボタンのかけ違いから、関係が(こわ)れてしまうことがあるということでしょう。
 私たちは様々な人間関係の間を生きています。親子の付き合い・近所の付き合い・職場の付き合いなど様々です。それぞれ違う人間が、お互い一つに(つな)がりあっていける関係をどのように築いていけばよいのでしょうか。
 宗祖(しゅうそ)親鸞聖人(しんらんしょうにん)は、法然上人(ほうねんしょうにん)の教えを受けて、特に流罪(るざい)されて以降、その越後(えちご)や関東の民衆と交わり、共に念仏の生活を送られました。その中において(つちか)われてきたものは、その生活者の中に「われら」と見出したような「同朋精神(どうぼうせいしん)」というべき感覚でありました。また蓮如上人(れんにょしょうにん)は、聞法(もんぽう)された人に「寄り合い談合せよ」(真宗聖典877頁)と(おお)せられました。それら念仏の声のするところには、人と人との心の通い合いが感じられます。真宗門徒は、念仏申すことによってその繋がりを確認してきたのではないでしょうか。
 私たちは問題が起こると、どちらの言い分が正しいかということに終始してしまいがちです。しかしこのことは、当事者であればあるほどなかなか気づけないものです。私が「聞く耳を持つ」ことの難しさを教えられたように感じました。


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