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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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 テレホン法話 2015年  

  放送日 タイトル 法 話
532 2015年9月1日〜 二人の少年 第11組円龍寺 不破英明
 私は以前、サッカー少年団の指導をされている方から、次のような話を聞かせていただきました。
 それは、「うちにくる小学生の子が、いつもニコニコしながら、楽しそうにサッカーをしているんですよ。その子は、サッカーが上手いわけではないんです。何回、指導しても上達しない。時には声を荒げてしまうこともあるんです。にもかかわらず、いつもニコニコしながらサッカーをやっているんですよ。それが私には、ちょっと不思議でね。」というものでした。
 私も不思議な気持ちになりました。私は物事が「うまく」出来ないと、とても「ニコニコ」出来ない、「楽しめない」自分に出遇います。ですので、その少年が声を荒げられても、うまくできなくても、何故ニコニコしているのかは不思議でした。
 ある日、私は一人の少年に出遇いました。その子は、C君という剣道をやっている男の子でした。C君は、剣道を始めて一年半ほどです。C君は、同級生と試合をしても勝てません。下級生と試合をしても勝てません。先生に教えてもらったことも中々身につきません。ある日、C君と話をしていて、C君が「剣道は楽しい。」と(うれ)しそうに話をしてくれました。その顔は、とても輝いていました。その顔を見て、さきほどお話ししたサッカー少年団の子も、きっとこんな顔でサッカーをしているのではないのか、と感じさせられました。
 二人とも、私とは違うものさしで物事をとらえているのでしょう。逆に私の日常の生活は、どんなものか考えさせられました。
 私の生活は、一言で言うならば、「名聞利養(みょうもんりよう)を本と」している生活ではないでしょうか。「名聞」とは、世間の評判や名誉を気にすることを意味し、「利養」とは、財産や利得を増やすことを意味します。
 私にとって「うまく」出来ないということは、評判を落とし、得にもならないと考えているのです。先の二人の少年は、うまく出来なくても、自分の評判が落ちるとも、得にもならないとも考えていないから、「ニコニコ」、「楽しく」しているのではないのでしょうか。二人の少年は、私とは違うものさしを持っている、そうしたことに気が付かされた出遇いでした。


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