テレホン法話(0584-78-3452)TELEPHONE SERMON
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放送日 |
タイトル |
法 話 |
542 |
2016年2月1日〜 |
議論とレッテル貼り |
第1組徳円寺 岫 弘明 |
2011年3月11日の東日本大震災から、まもなく五年の歳月が経とうとしています。震災から五年の月日は、人々から震災への関心を無くすには十分すぎる時間です。
特に人は、自分の関心が無いものに対しては物凄く冷淡です。関心の無いものは、切り捨てても構わないとする独善的な空気が蔓延しているかのようです。
最近は、その傾向がますます顕著になって、世の中がギスギスしているように感じます。いや、現代は、むしろ自分自身の無関心や不勉強さを棚に上げて、独善的に無用なものとレッテルを貼り、切り捨てようと企てる人物を拍手喝采して誉めそやす風潮があるようにさえ思います。
その矛先が自分に向けられ、切り捨てられる側に立たされるまで、その理不尽さに気が付かないとしたら、それはとても悲劇です。
また、震災復興論議においてツイッターなどのSNS*1で、自分の意見が絶対的に正しいと妄信して反論に全く耳を傾けず自分と異なる意見が有ることさえ嫌悪する人が表だってきたように感じます。
そのような人たちの傾向として、相手を論破することに夢中になり自説に共感してもらうために丁寧に説明せず、レッテル貼りをして満足しているように感じます。
自らを省みて説法の時、自説を押し付けていないか?、共感してもらう丁寧さはあるのか?、と思い悩む毎日です。(了) |