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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2016年  

  放送日 タイトル 法 話
555 2016年8月16日〜 「弔う」ということ 第6組 念教寺 野村正宏
 昨年、父が大腸がんを患いました。その手術が行われる日、叔父や叔母が見舞いに来て、手術室に入るまで病室で付き添ってくれました。その時、病室で色々な話をしました。「どうしてこんな事になったのか、あんなに運動してお酒やタバコもやらない健康的な生活を送っている人がガンになるなんて?」と父や母に普段の生活の事などを聞いていました。
 私はその会話を横で聞いていて不謹慎(ふきんしん)ながら、「この様子、枕経(まくらぎょう)に似ているな」と思いました。門徒さんのお宅に枕経に出掛けると、親族の方々が弔いに集まってみえる時間帯によく重なります。
弔いにみえた方は挨拶もそこそこに、ご遺体と対面され遺族の方に故人が亡くなった時の様子や生前の事などを色々聞いていかれます。
 「こないだまで、あんなに元気やったのに・・・」「わしも気を付けないかんなぁ」など、親しい人の死を我が事のように受けとめながら話をしているのを目にします。
 「(さき)()まれん(もの)(のち)(みちび)き、(のち)()まれん(ひと)(さき)(とぶらえ)え」
 『正信偈(しょうしんげ)』にも出てくる道綽禅師(どうしゃくぜんじ)の言葉です。ここでいう「生まれん」とはこの世に生まれる事ではなく、あの世、浄土(じょうど)に生まれる事を言っています。
(まえ)にこの世を生ききって浄土に生まれた者」
(のち)に浄土に生まれんとこの世を生きている人」
また、「(とぶら)え」とは「(とむら)う」と同義語で、意味は、たずねるという事、故人がどのようにこの世を生きて浄土に生まれていったのか、また、その事を通して「後に生まれん者」はどう生きてゆくのかをたずねる。
 葬儀、法事も皆さん弔いの心でお参りされていると思います。そのお参りが故人への弔いに留まらず、親しい人の死を他人事とせず、私の今後の人生をどう生きてゆくのかを仏法に訪ねる大切なご縁への導きと気付いているでしょうか。
 その導きに気付いた時、葬儀、法事が故人にも私にも、大きな意味を持ってくるのではないでしょうか。


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