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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2016年  

  放送日 タイトル 法 話
558 2016年10月1日〜 ひとりもみんな 第12組 傳香寺 松島海生
 近頃、テレビ等でこんな言葉を耳にすることが増えた気がする。
「人間は一人でも生きていける。」近年世の中はどんどん便利になってきている。携帯があれば、家にいなくても誰とだって連絡がとれる。インターネットに繋がってさえいれば、その場で様々な情報を知ることが出来る。スーパーやコンビニへ行けば、野菜やお肉が買える。だが、それらはどこかから降って湧いてくるのか。そんなことあるわけない。必ずそれらには関わっている人間がいる。野菜を育てている人や、牛や豚等の家畜を育てている人。携帯にも、その部品を作る人、部品を組み立てる人。又、それらをお店に卸す人や販売する人がいる。そういった物を購入する私達は本当に、何とも関わっていないのだろうか。今挙げただけでも多くの人が関わっている。私達は顔をあわせず、話をしていなくても必ず誰かと、何かと繋がっています。そうやって私達は誰かや、何かに日々生かされているのです。生きると言う事は、繋がるということです。
 そんな人間としての在り方を親鸞聖人は「凡夫(ぼんぶ)」であると教えて下さったのです。私ではない誰か、わたしではない何か。それらが自分からではなく、その何か、誰かによって始まっていることを私達は理解しなければいけません。自分ではない所から始まる、始まっている。親鸞聖人はそうした私達を救って下さるのが、阿弥陀仏の本願力によるものだと仰いました。誰かや何かと繋がりながら、その繋がりに気付かずに生き続ける私達「凡夫」を救って下さる、阿弥陀仏の本願に目覚めていくことが大切です。それを「他力本願」といいます。他人の力を当てにして自分では何もしない。世間ではそのような認識を持たれている言葉ですが、実際は違います。他力という阿弥陀仏が私達に対して願っていることは何か、今の自分がどう成り立っているのか。それを理解することはきっと何よりも難しい事だと思います。
 「人間は一人でも生きていける」それは、一人もみんなによって生かされていることを、理解できていない今の私達を象徴している言葉ではないでしょうか。私達は今一度自分を省みなければならないでしょう。


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