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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

TEL. 0584-78-3362

〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2016年  

  放送日 タイトル 法 話
561 2016年11月16日〜 個々の輝き 第17組 蓮休寺 中嶋智生
 真宗大谷派の用いる経典の一つに『仏説(ぶっせつ)阿弥陀経(あみだきょう)』があります。この中に出てくる「青色青光(しょうしきしょうこう)黄色黄光(おうしきおうこう)赤色赤光(しゃくしきしゃっこう)白色白光(びゃくしきびゃっこう)」という言葉について皆さんと共にあじわっていきたいと思います。
 私は、人に嫌われるのが怖いです。周りと違っていたり、周りの期待に応えられなかったりすると、嫌われてしまうのではないか。そんな思いで必死に自分を(いつわ)り、無難(ぶなん)な立ち位置につくことばかりを考えて生活してきました。
 最近「空気を読む」という言葉がよく使われますが、私自身、周りの雰囲気やその場の流れによって、自らの意見を曲げることがあります。それは自分の意見を主張することで他者から批判されるのが怖いからです。自分を表現せず、周りと同じ考えの自分を表現していく事で責任を逃れ、安全な所に身を置いていれば、批判されることもありません。そうしていれば批判の(まと)にならず、平穏(へいおん)に生活していく事ができます。その場やその場に居る人々と同じ色に染まろうと必死になります。そんな事を繰り返しているうちに、自分という人間の価値が分からなくなってきてしまいます。自分という人間がくすんでしまっているような気がしました。そんな時、『仏説阿弥陀経』の「青色青光、黄色黄光、赤色赤光、白色白光」という言葉に出遇いました。この言葉は、私たち一人一人が、すでに個々の色を持っており、光り輝いているという事を語っています。
 世の中で生きていくうちに、自分という存在意義が分からなくなりがちですが、私たちは生まれながらにして尊いのです。しかし、気を付けなければならないのは、決して自分自身の意見が常に正しいという訳でわないというところです。自分色であるからとか、自分は尊いから自分の考えが正しいと思い込み、周りにその考えを押し付けるということではりません。人間、様々な容姿の方がいらっしゃるように、考え方も様々あって良いのだと思います。私たちは互いの色を尊重し合い、共に学び、共に生きていけば良いのです。そのことに気付かせていただけたのは、空気を読もうと必死になっていたという過程があったからだと思います。その過程は一見すると負の道であり、そんな道を通る事は避けるべきだと思われがちです。しかし、その道を通ったからこそ経典の言葉に出遇うことができました。何が必要で、何が不必要なのか、私たちの価値観で出来上がったものさしは真実を計るのには少し(かたよ)っているのかもしれません。聞法していきたいと感じました。


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