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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

TEL. 0584-78-3362

〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2017年  

  放送日 タイトル 法 話
581 2017年9月16日〜 ものさし 第7組 光明寺 堀 恵慎
 朝起きて外に出ると、雨が降っていました。私は雨があまり好きではありません。服は()れるし、車の運転では前が見えにくくなります。ヘアスタイルも決まりにくくなってしまいますし、なんとなく気分が晴れません。そう思いながら、駐車場にむかっていると、近所のおじいさんが通りかかりこう仰られました。
 「雨が降ってくれてよかったねぇ」
 私はとっさに「あ、はい。」と答えたものの、心のうちでは「よくないよ」と思っていました。車に乗りおじいさんの言葉を振り返ってみました。おじいさんはいくつもの畑と田んぼを持っていらっしゃいます。農業において雨はとても重要なもので、久しぶりの雨はおじいさんにとってうれしいものであったのです。
 私にとっては都合の悪いことも、私以外の人にとっては都合が良いことである場合もあるのです。私たちは、ついつい自分の価値観や尺度で物事を受け止めがちです。自分にとって都合の良いものは「良い」、都合の悪いものは「悪い」という判断基準で生きている毎日です。
 相田みつをさんの言葉に、「そんかとくか人間のものさし うそかまことか佛さまのものさし」というものがあります。
 お腹が空いているときには食べ物が欲しいと思いますが、お腹が一杯になれば食べ物への執着は一気に薄れてしまいます。健康なときには気付きませんが、病気になると健康のありがたみが身に染みることがあります。ものごとの価値は人間のものさしで判断すれば、その場その時の状況でコロコロ変わってしまいます。
 それに対し、佛さまのものさしの前においては、変わらない価値がある。私にはどうすることもできない変わらない価値がそこにはあるのだということなのではないでしょうか。それに気付くこと、自覚こそが、仏法を聞いていく私にとっての第一歩なのではないかと思う今日この頃です。


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