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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

TEL. 0584-78-3362

〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2018年  

  放送日 タイトル 法 話
597 2018年5月16日〜 今も生きる 第6組 宗休寺 津汲智麿
 貧富の差、世の中での立場の差は、一つも関係なく、間違いなく、だれしもが避けては通れないこと、それは、「命あるものは必ず死というものを迎える」ことです。それは自然の摂理(せつり)であり、避けることのできないものであります。しかし、それは何も残らないということではなく、まだ39年の短い私の過ごしてきた人生ではありますが、法務をつとめる者として、日々私は実感させて頂いておる毎日です。 私は7年前におじいちゃんを亡くしました。寺院の長男として、誕生した私に、たくさんの愛情を注いでもらい、本当にかわいがってもらった大好きなおじいちゃんでした。8歳の時にひいばあちゃんが98歳で亡くなったときは、まったく実感が()きませんでしたが、成人となり、初めて近い身内を亡くしました。
 その数日後、ある家の法要に行きました。その時にあるおばあちゃんにこう言われました。「若さんのお経のふしまわしは、住職とはちょっと違うね。本当に前住職にそっくりだね。なんだか前住職が家にきたみたいでわたしは嬉しいよ」と。私はその言葉が、自分の心にズッシリとのしかかったことを今でも鮮明に覚えています。
 自分ではまったく気づかなかったけれども、私が僧侶(そうりょ)として、皆様の前でお経を読ませていただき、お話をさせていただけるのは、私の中に、祖父が残してくれたものがあるからなのだと気付かされました。祖父の死という事実は変わらない。しかし私の中で永遠に生き続けているのだと…。祖父から父、そしてわたしと命を(つな)いで頂けただけでなく、私にとっての目に見えない貴重な財産をいただいて、今私は生かされているのだと、心底感じさせられた一日でした。
 わたしにとっては、お経をおつとめできるようにして頂き、法務に出られるようにして頂いた、目に見えない財産でしたが、皆様方にも、きっとそのようなものがあると思います。一度、仏間で手を合わせて、亡くなった方を思い出してみてください。きっと大切なものを皆様の心の中に残して、今も生きているのではないかと思います。


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真宗大谷派大垣別院開闡寺

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