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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2018年  

  放送日 タイトル 法 話
599 2018年6月16日〜 ご苦労を知る 第16組 了圓寺 稲岡智子
 最近私は、ご苦労を知るということの大切さをよく感じています。きっかけは、お寺のために力を尽くしておられるご門徒の姿です。朝早くからの、剪定や草取り、境内の気になる箇所の修繕など、様々なところで骨を折って下さっているのですが、お恥ずかしい話、私自身が実際に手伝ってみるまで、私にはその有り難さがあまり実感できていなかったのです。
 もちろん、有り難くないと思っていたわけではありません。有り難いことに違いはないのだけれども、何とも表面的なうすっぺらい気持ちの「有り難い」だったのです。お手伝いをすることで、想像以上に大変であることや、疲れること、様々な苦労を知り、皆さんのご苦労がいよいよ有り難く感じられ、これまでの自分が恥ずかしくなりました。
 また、地元の特別伝道の座談会の時、ある方が鉄瓶を手にとって「これも仏教やなぁ」としみじみおっしゃっていました。どのような意味か尋ねると、「これを作るの、ものすごく大変なんやろうな」と、そのご苦労に思いを()せておられました。
 苦労を知ると、自然と頭が下がります。謙虚にならざるをえません。苦労を知らなければ、そうしてもらえることが「当たり前」、どんどん横着になっていきます。
 私はいつも自分のことで頭がいっぱいで、自分以外の人の苦労を考えることがありませんでした。親の苦労、家族の苦労、あらゆる物事に誰かの苦労があります。そして何より、このような私を(あわ)れみ、助けようと兆載(ちょうさい)永劫(ようこう)に修行をして下さる法蔵菩薩(ほうぞうぼさつ)のご苦労ははかり知れません。 
 おそらく私はこの先も自分本位な生き方を変えられず、周りのことを考える余裕などなく、わがままに過ごしてしまうと思います。
 だからこそ、自分自身の煩悩(ぼんのう)の闇の深さを思い知らされる度に、私にかけられた願いやそのご苦労を思い出し、お念仏を申しながら生きていきたいと思います。


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