テレホン法話(0584-78-3452)TELEPHONE SERMON
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放送日 |
タイトル |
法 話 |
607 |
2018年10月16日〜 |
いのち |
第7組 念瑞寺 藤原克総 |
私は、ご門徒さんのお宅でお常飯(月参り)や、ご法事などの法務をさせて頂いていますが、お勤めが終わった後にだいたい言われる言葉が、「次は私の番やで、お願いしますね。」と言われますが、私はその時にこの様に言います。「分かりました。でも必ずとは約束出来ません。」と言うと「はっ?」と言う様な顔をされます。その後、私は必ずこう言います。「蓮如上人が書かれた還骨や初七日法要の最後に拝読する、白骨の御文の中に無常と書かれています。私達は常ではない世界を生きているのですから今日の夜、目を閉じて寝たとしても、次の朝必ず目を開けるなんて、そんな保証はないんです。それぐらい私達は、明日が分からない世界を生きています。だから100%約束出来ないのです。」と答えます。
でも、私もこんな事を言っていますが、普段仕事に追われていると、明日が来るのは当たり前だと思ってしまっている自分がいて、無常の世界を生きている事を忘れてしまっています。でも、ご門徒さんと話をしていると、自分が当たり前の世界を生きているのではないと改めて、勉強させて頂いています。
ご門徒さんのお宅のお内仏の前で一緒にお勤めをさせて頂くことは、今生きている自分は一人で生まれてきたのではなく、自分にも両親がいてその両親にも両親がいてと、ずーっといのちは今の自分に受け継がれてきているのだと、再確認させて頂ける場ではないのでしょうか。お内仏の前に座りお勤めをするのはとても大切な事です。お内仏を展示物のお仏壇にしないで、お勤めをしようじゃありませんか。お勤めが出来ないのならお内仏の前に座り、合掌してお念仏を称えるだけでも私はいいと思います。今ここにある自分のいのちは、一人のいのちではない事をお内仏にお参りすることで、改めて感じて頂きたいと思います。私のいのちは、私一人のものではないのですから。 |