テレホン法話(0584-78-3452)TELEPHONE SERMON
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放送日 |
タイトル |
法 話 |
608 |
2018年11月1日〜 |
仏様と出会う子どもたち |
第6組 西重寺 内田篤宏 |
夏休みに一週間ほど、子どもを対象におつとめの稽古をしました。朝のラジオ体操が済んでから、およそ30分間。集合にかかる時間、出席カードを確認する時間、それらを考えれば実質、25分程度です。
「皆さん、おはようございます。よく来てくれましたね。仏様にご挨拶しましょう。仏様には、なんまんだぶつがご挨拶です。お念珠をかけて、手を合わせて、なんまんだぶつ、なんまんだぶつ。」小さな子は、わからないなりに「なんまんだぶつ」、大きな子は恥ずかしがって声が出ない子もいますが、みんな手は合わせています。「それでは本を開いて、帰命無量寿如来、皆さんも一緒に。」小さな声、大きな声、初めての子は何のことか、さっぱりわからないながら、少しずつ声に出していきます。
最初は導師の声が一番大きかったお稽古の場も、一日目より二日目、二日目より三日目、だんだん声が上がるようになっていきます。まだ小さなお子さんに、親御さんが指で示しながら、一緒に読んでいる姿もあります。「私もかつてはここで習ったのよ。」と言われる姿に、親子の代を超えてつながる縁を感じます。
あまりお稽古が長いと退屈してしまいますので、時間が来れば途中でも一度切り、仏様のお話をします。みんな目を輝かせ、耳を傾けてくれます。大人の方が、「子どもではなくて、私たちこそが聞かなあかんことばかりですわ。」と言っておられたことが印象に残っています。
もう一つ、組内のお寺で協力して、子どもたちと本山にお参りに行く「同朋少年研修」も、毎年夏に行っています。本山の空気に触れ、あの広い境内の中を目一杯動いてもらう。広い広い本堂で、朝早くから大勢でお参りする。そんな中で、「わたし、お寺でお稽古してきたから読める。」と言って一緒に唱和する姿は、子どもたちの柔軟な吸収力を感じさせるものです。このようなお寺、お経、仏教との御縁が、わずかなものであれ、子どもたちの心に何かを残し、生活に定着していくことを願っています。 |