本文へスキップ

真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

TEL. 0584-78-3362

〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

テレホン法話(0584-78-3452)TELEPHONE SERMON

 テレホン法話 2019年  

  放送日 タイトル 法 話
612 2019年1月1日〜 年頭のご挨拶 大垣別院輪番 譽田和人
 新しい年を迎え、大垣教区の皆さまにはご清栄のこととお慶び申し上げます。旧年中は大垣別院の運営と教化活動にご理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
 昨年は記録的猛暑や大型台風が襲来するなど自然災害が多く、美濃地方にも建物や農作物に多大の被害を受けました。被災された皆さまにはあらためてお見舞い申し上げます。
 さて、年末になると一年を振り返る放映がされますが、その中に亡くなった有名人を偲ぶものがあります。私には取ってつけて死者を(いた)むようで余りいい感情は持っておりませんでした。
 ところが、その中に独特の死生観(しせいかん)で共感を呼んだ樹木希林さんの言葉に出遇いその思いを改めることにしました。「生きるのも日常、死んでいくのも日常」とサラリと語っています。60歳で病を得てからの希林さんの言葉には、人間を洞察した厳しさと柔らかさがあります。
 番組制作者の意図は別にして、私が(せい)の側から死を見ていたことに思い当たったのです。年末気分のなかで過去の人を眺めている自分がいました。
 ところがこの番組を新年を迎えるものとして捉えたらどうでしょうか。新しい年を迎えるに際して亡くなった方々のメッセージを確かめるものとするなら、新しい一年をどう生きようとするのかその覚悟が問い直されているなら方向は逆転します。死の側から生を観る、問い返されているのが自分ならば他人事では済まされません。自分の死を日常とした時に、日常の生が鮮やかに輝くことに希林さんは気づいたのでしょう。
 (あふ)れる情報の中で私たちは(おぼ)れそうになっています。ところがその情報の中に大切な人たちが(のこ)したメッセージを忘れていなかったか。
 今年一年をどう生きるか。そのことを考える時に死者からのメッセージが私自身の今を思い起こさせます。「生きるのも日常、死んでいくのも日常」
 今年もよろしくお願いいたします。


バナースペース

真宗大谷派大垣別院開闡寺

〒503-0897
岐阜県大垣市伝馬町11番地

TEL 0584-78-3362
FAX 0584-78-3328
E-mail kaisenji@ogaki-gobosan.net