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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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 テレホン法話 2019年  

  放送日 タイトル 法 話
617 2019年3月16日〜 子どもたちのつぶやきとの出会い 第6組 覚養寺 竹中裕太郎
 皆さんは「大きな栗の木の下で」という童謡をご存じでしょうか?私にはもうすぐ二歳になる娘がいます。先日、その娘がまだたどたどしい歌い方で、「大きな木の木の下で、あなたはわたし」と歌っているのを聞いて、「あなたとわたし」ではなく「あなたはわたし」というかわいい言い間違いに、みんなで笑ってしまったことがありました。その時は他愛のない言い間違いだと聞き流してしまいましたが、後からふと思い返し、一人の子どものつぶやきとの出会いを思い出しました。
 それは普段、私が勤めている保育園での出来事でした。当時、受け持っていた五歳児の男の子が、ある時、私の顔をまじまじと覗き込みながら、こう言いました。「あれっ?先生の眼の中に僕がいる!面白いね〜」この言葉を初めて聞いた時、当たり前のようだけれど、子どもにしかできない純粋な発見に驚かされ、感動したことを今でも覚えています。
 私はこの言葉から二つのことを感じました。一つ目は自分の本当の姿は、相手の眼に写る自分が教えてくれるということです。私たちは自分の表情や心の在り方を自分の目で確かめることはできません。しかし、自分に向けられる相手の眼や態度、言葉にはそれがはっきりと表れてくるのです。仏教では「有縁(うえん)(ほう)()れ」と言われますが、何のために生まれて何をして生きるのか、自分を見つめようとする時、出会った人との関係性や繋がりが自分の姿を照らし出してくれるのではないかということを考えさせられました。
 二つ目は「相手の眼の中にいる自分の存在に気がつく」ということを、言葉や理屈抜きで感覚としてとらえている子どもたちの素晴らしさです。「あなたはわたし」という娘の何気ない言い間違いも捉え方一つで私にとって大切な出会いへと変わりました。
 この二つのつぶやきを通して、人生を豊かにする善知識との出会いは自分よりも先に生まれ、長く生きている人との出会いに限らず、自分の周りのどこにでも存在していることを私は思い知らされました。


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