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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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 テレホン法話 2019年  

  放送日 タイトル 法 話
630 2019年10月1日〜 自身の価値観 第17組 蓮休寺 中嶋智生
 日常生活を送る中で、相手に良い事をした。または、良い事をされたという経験があると思います。その逆に、気に入らないことをされた、という経験をした方もいると思います。
 先日、私が車を運転している時、コンビニの駐車場から一台の車が道路に出ようとしている所、ちょうどそのタイミングで目の前の交差点が赤になりました。停車する車の列ができ始め、出るタイミングを失ってしまったかのように思えましたが、それに気づいた車が間隔を空けて停車しました。コンビニから出られるように、気を遣われたのだとわかりました。その運転手は当然、空けてくれた事に感謝しながら中央線まで進み、対向車線へ出ようとしました。その時、対向車線に、曲がってきた車が加速しながらやってきて、出合頭に衝突しかけました。よくあるサンキュー事故になってしまう所でした。譲ったドライバーも、コンビニから出たドライバーも、とても申し訳なさそうでした。交差点を曲がってきた車のドライバーは驚き、怒っておられました。良かれと思ってした善意が、善意として成り立たなかった。私であっても同じく譲っていたと思います。
 そんな残念な光景から、善意の行いであっても、副次的に誰かに迷惑をかけてしまうという事が、世の中には在るのだと思いました。この場合、赤信号の列が無くなってから、落ち着いて左右確認をし、自分のタイミングで駐車場を後にするのが良かったと結果論で分かります。その場合、間隔を空けてくれた人は、譲らないという、どこか罪悪感と気まずさを感じる行為を、選択しなければなりません。しかし、この場面では、譲らないという行為が人のためになるという事になります。
 人は知らず知らずの間に、良い事、悪い事を自分の価値観で決め、相手も同じだと思い生活していると思います。私の価値観が正しいと思っていましたが、今回の出来事から、何が良くて、何が悪いのかわからなくなりました。つまり、私のものさしにより出来た価値観の危うさに気づかされたのです。
 皆様はこのように、良かれと思ってした事が、かえってトラブルになってしまったという経験はありませんか?今回は車に関することでしたが、日常生活には様々な問題が隠れています。今一度、自身の価値観について考えてみませんか?


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