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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2019年  

  放送日 タイトル 法 話
632 2019年11月1日〜 心のもろさ 第13組 蓮光寺 日野泰生
 先日、私は交通事故に遭いました。出勤途中での車同士の事故で、気付いた時には、自分の車の右側から相手の車が突っ込んでくるのがわかりました。
 死ぬかもしれないという思いが頭をよぎるとともに、大きな衝撃を受けました。
 走っていたのは対面通行の狭い道路で、私の車は衝突したはずみで車道をはみ出し、反対側のガードレールとカーブミラーにぶつかってとまりました。
 体の状態を確認してみると、幸いにして自力で立って体を動かすことができました。多少痛みはあるものの、目立つような怪我もなかったため、ひとまずは安堵(あんど)しました。車も確認をしてみると、両サイドは大きくへこみ、ぶつかった部分のタイヤはパンクといった具合にボロボロでした。
 もし、もう少し相手のスピードが速かったら、ぶつかりどころが悪かったら、と思うと背筋の凍る思いで、「体も無事で生きていられるだけで十分、本当にありがたい」ということを心の底から思えました。
 ところが、事故から少し時間が経つにつれ、保険の料金があがる、病院への通院といった現実に直面すると、「なんで自分がこんな目に」「お互い様ではなく、自分より相手のほうが悪かったのではないだろうか」「事故によって失った時間を返してほしい」そんな思いが込み上げてきたのです。
 生きていられるだけで十分ありがたいと思う私から、そのことをすっかり忘れて自分の欲ばかりに(とら)われる私になっていることに気づいて、私の心というのはこんなにも「もろい」ものだということを痛感しました。
 最近は実家を離れて暮らしていることもあり、ご本尊の前で手を合わせることが極端に減った私ですが、事故の報告がてら実家に寄り、ご本尊の前で手を合わせてふとそんなことを考えたわけです。
 こういった事故ひとつも仏縁として、私に語りかけてもらえるものがあるのだと感じた出来事でした。


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