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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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 テレホン法話 2019年  

  放送日 タイトル 法 話
633 2019年11月16日〜 「当たり前」という罪深さ 第3組 正光寺 田中元樹
 皆さんは「当たり前」という言葉を、日常生活の中でよく使うのではないでしょうか。私もよく使います。当然。常識。然るべきこと。それが正しいことだからこうする。こうあるべきだという認識全般のことです。
 しかし、「それが常識なのだから、貴方もそう考えるべきだ。」「それをやることが当たり前なのだから、貴方もそうやりなさい。」と言われると、不快な気持ちになりませんか。常識だから、当たり前だと言っている人は、自分こそが正しい。そう言っているのと同じなのです。他人に、自分の考える「正しさ」を押しつけているんです。
 何かを正しいと思うこと、それを信じることはとても大切なことです。そこから信仰が生まれ、目的が生まれ、人生が生まれ、私自身が生まれる。自分が何を正しいと信じて生きるべきか、人間がそう考えるところから、自我が生じます。
 しかし、同じ人間が二人といないように、「常識」や「正しさ」も、人間の数だけ存在するのです。自分が正しい、当たり前だと信じることを他人に突きつけて、自分と同じものを信じろと迫るのは、あまりにも理不尽ではないでしょうか。
 『仏説阿弥陀経(ぶっせつあみだきょう)』に、こんな一節があります。
  「池中蓮華(ちちゅうれんげ)大如車輪(だいにょしゃりん)()色光(しょうしきしょうこう)黄色黄光(おうしきおうこう)赤色赤光(しゃくしきしゃっこう)白色白光(びゃくしきびゃっこう)微妙香潔(みみょうこうけつ)。」
                              (『真宗聖典』126頁)
意味は「極楽浄土の池にある蓮華の花には様々な色があり、青い花は青色、黄色い花は黄色、赤い花は赤色、白い花は白い光を放っていて、それらは奥深く高潔なものだ」ということです。
 人間はそれぞれ、色も形も違う存在です。最近の色鉛筆やクレヨンには「肌色」という色が入っていません。人間の肌の色は、一色ではないからです。一色だと思い込む。そこには、常識や当たり前が介在しています。常識や当たり前などというものは、私たちの狭い了見でしかありません。それを道理だと思い込むのは、他人を見下して、相手を軽んじる行為でしかないのです。
 つい、自分の考えにとらわれてしまうのが人であり、そんな私たちの姿を教えてくださるのが仏法です。日々、仏法にふれ、念仏申していくこと、それこそが真宗門徒の生活と言えるのではないでしょうか。


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