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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

TEL. 0584-78-3362

〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2020年  

  放送日 タイトル 法 話
636 2020年1月1日〜 年頭のご挨拶 大垣別院輪番 譽田和人
 新しい年を迎え、大垣教区の皆さまにはご清栄のこととお慶び申し上げます。旧年中は大垣別院の運営と教化活動にご理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
 昨年は毎年発生する大規模な風水害が多く、異常気象という捉え方を改めて、気候の変動として認識することを実感させられました。建物や農作物に被災された皆様にはあらためてお見舞い申し上げます。
 そのなかで、ラグビーワールドカップでの日本チームの活躍と、プロ一年目の渋野日向子選手の日本人42年振りとなる全英オープンゴルフ優勝の快挙が明るい話題として注目されました。日向子という同じ名前で数年前に亡くなられた江戸文化研究家の杉浦日向子さんの言葉を思い出しました。NHKの「お江戸でござる」という番組に出演していた姿を覚えている方もおられるでしょう。江戸の庶民は除夜の鐘を聞きながら「七味五悦三会(しちみごえつさんえ)」を確かめて歳を越すというお話です。
 一年間に食べた美味しい食べ物七つ、楽しかったこと嬉しかったこと五つ、会えて嬉しかった人三人を家族と一緒に思い出して歳を越すのです。七五三が(かな)っていれば感謝し、できなかったら新しい歳を決意する。貧しい中にも豊かさを感じさせる生活ですね。四角い箱から流される代わり映えのしない番組を見て過ごす現代人とは雲泥の差です。
 毎日の暮らしは思うに任せないことの連続です。自分にとっては気に食わないことの連続です。あいつのせいで、時代のせいで思うようにならない。その一年の思いを積み重ねたのが一生だとしたら、なんと空しいことでしょう。江戸の人たちには自分に与えられた幸を受け取ろうという大らかさがあったようです。
 美味しい物がない。尊敬できる人がいない。感動することなんかない。本当にそうでしょうか。ものを美味しく頂く感性や他人を自分と同じように大切にする心、与えられるのを待つばかりでなく自分から他人とかかわろうとする姿勢など、自分の都合だけを優先することを見直すことで、少しだけ明かりが見えてきませんか。
 親鸞聖人の御言葉に
  ただ自力をすてて、いそぎ浄土のさとりをひらきなば、六道死生(ろくどうししょう)のあいだ、いずれの業苦(ごうく)にしずめりとも、神通方便(じんずうほうべん)をもって、まず有縁(うえん)()すべきなり。
                          (『真宗聖典』628頁)
とあります。大量消費と(あふ)れる情報の中で、すぐ(かたわら)にいる人とゆっくり話す暮らしをしてみませんか。その情報の中に大切なメッセージが在る(はず)です。 
 今年もよろしくお願いいたします。


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真宗大谷派大垣別院開闡寺

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