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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2020年  

  放送日 タイトル 法 話
648 2020年7月1日〜 慣れてしまう 第12組 福存寺 熊谷廣教
 人間とは慣れてしまうもので、最初は新鮮だったことでも、回数をこなすことでそれが当然のことのようになっていきます。仕事や日課となれば良いことが多いのですが、これが人間関係などになると少し事情が変わってきます。 家族や友人など一緒にいて当然のようになっている誰かが、皆さんにもいると思います。もし、その人との関係が変わったり、いなくなってしまったらどうでしょうか。いることが当然になっていた人がいなくなり、寂しくなることもあるでしょう。その人がこなしていてくれたことを今度は自分がすることになり、その大変さやありがたさを知るようになることもあるかもしれません。
 そこだけ切り取ってみれば美談のようにも聞こえますが、つまりそれはその人が自分のために働くことが当然となってしまっていたということでもあります。最初は頭を下げてお願いしていたことでも、たとえ初めのうちは感謝していたとしても、人間とはそういうことにすら慣れてしまえるもので、何度も繰り返すうちに当然のことのように受け止め始めてしまいます。誰かに自分の要求を叶えてもらうことに慣れてしまうと、人間というものは無自覚に欲深いもので、次はこれをしてくれ、その次はあれもしてくれと、何度も繰り返し要求するようになってしまいます。これを仏教では「貪欲(とんよく)」と言います。そんなことはない、と思う方もいるでしょう。確かに、おおよその人は一定の線を守り、過剰に要求するようなことはないかもしれません。
 しかし、例えば家事や雑用などの身近なところではどうでしょう。ほんのちょっとしたことでも家族が自分の代わりにしてくれていることに、どのように感じているでしょうか。最初のうちはお礼を言っていたものが、そのうちに慣れてしまい、してもらうことが当然のようになっていないでしょうか。
 自分の生活を振り返ってみると、誰かに助けてもらっていることが想像以上に多いということに気付かされます。一度、自分が誰かへの要求に慣れてしまっていないか、誰かが助けてくれることは当然のことと思ってしまっていないか振り返ってみるのはどうでしょうか。


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