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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

TEL. 0584-78-3362

〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2020年  

  放送日 タイトル 法 話
653 2020年9月16日〜 念仏相続 第1組 願宗寺 牛屋良夫
 新しいご縁を頂いたお宅の月命日に伺い、お勤めの後お話をしていると、ご主人から「お寺も近年は大変でしょう。仏教に無関心な人が多い感じがしますね。」とおっしゃっていました。続いて、「私自身も無関心で、実のところこの命日のお参りも亡き親に言われましたので勤めているだけで本当は意義がわからないのです。」とも言っていました。その後も毎月伺い話をしていると仏教には無関心と言われているが、何かを期待しているようにも感じるし、平生も質問が多く、とても熱心だと感じる事が度々ありました。
 そこでまずは、お内仏(ないぶつ)から一緒に学びを深めましょうとお誘いをしました。それから、私が毎月行っている講座に参加できる時は、一緒に聴聞(ちょうもん)していただきました。いつしか共に学ぶ仲間もできました。毎月の命日には私が読んでいる本を少しずつコピーして渡し、翌月はそのことについて語り合っていました。時々「何か思うところに変化はありましたか。」と尋ねると決まって、「やはり私にはわからない世界の話に聞こえます。」と微笑みながら言われていました。
 3年程過ぎ、その方はお亡くなりになられました。中陰(ちゅういん)参りの際、奥様と話していたら「主人はいつも月命日を楽しみにしていた」とおっしゃってくださいました。満中陰のお勤めを終え御文箱を開けると、そこには私が渡したコピーや講座でご主人が頂かれた資料がぎっしり入っていました。私はお内仏の話をよくしましたが、御文箱についてはあまり触れてなかったのでしょう。
 本来、御文箱とは御文を収める為のものです。しかし、その箱を見ているとご主人にとっては、学びの中でいただいた資料もある意味では、御文箱に入れるような大切なものに感じていたのかもしれません。作法としての御文箱の扱いを伝え損じていたことは申し訳ない話ですが、確かにそこには如来の法義がしっかりと相続されている姿がありました。「わからない世界の話」から仲間と共に学び「自分が生きる世界の話」に転じたのだと思います。学びとは生きる間の積み重ねと、同じ志を持った者との出遇いから始まるということです。


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真宗大谷派大垣別院開闡寺

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