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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2020年  

  放送日 タイトル 法 話
654 2020年10月1日〜 子どもの後ろ姿から学ぶ 第14組 景陽寺 高橋 証
 昨年、妻の父が急逝しました。亡くなる前日は、義父のお寺の宗祖親鸞聖人七五〇回御遠忌(ごえんき)法要の打ち合わせ会議をしていました。その日は、何年も前から計画していた法要の準備がようやく整い、人一倍元気な性格の義父は、いつも以上に陽気であったようです。義父が念願としていた御遠忌法要は、万全な準備と義父の意志を受け継いだ寺族、門徒の(あつ)い思いにより、一層深いものとなりました。
 そんな義父の急逝は、私の子どもたちにとっても、特別なものとなったようです。義父は子ども達へ電話をする度に、大きな声で「がんばれよ、がんばれよ」といつも励ましていました。また、たまに会えた時の喜びようはひとしおで、孫を抱きしめたくて追い掛け回していた姿が思い出されます。
 子ども達からしても、いつもおせっかいなくらい孫思いだったおじいちゃんとの急な別れは、すぐに受け入れることができなかったと思われます。そんな中、義父の写真を妻と子どもが何枚か選び、家に持ち帰ってきたのですが、その写真を家の三つ折り御本尊のそばに立てかけていました。すると、子どもが何気ない時でも三つ折り御本尊の前に座り、手を合わせ始めたのです。
 これまで、生活空間に三つ折り御本尊が安置されていたものの、お内仏のある生活ということを子どもたちに示していなかったことに、改めて気付かされました。子ども達にとっては、風景でしかなかった三つ折りの置物を、ご本尊として迎え入れた瞬間でした。私は以前、「私たちはお念仏の中で先立った人たちと、会ったり話したりできるから幸せです。」という言葉を聞いたことがありますが、急に別れることになった様々な思いの中で、仏さんに手を合わすことで何かを感じ取ろうと子ども達なりにしているのでしょう。悲しみをまぎらわすのではなく、悲しみの中にありながら大切な方の死を何とか受け入れ、違った形で出会い続けようとしている姿に、こちらが学ばされる機会となりました。
 お義父さん、そんな大好きだった孫の末っ子は、今年僧侶(そうりょ)となりました。お義父さんの生き様は、まだ彼たちを歩ます原動力として生き続けています。


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