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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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 テレホン法話 2021年  

  放送日 タイトル 法 話
666 2021年4月1日〜 葬儀のお布施 第11組 浄休寺 竹中裕史
 私は実家のお寺で、一人で葬儀を勤めることがあります。実家のお寺では葬儀の翌日に、故人のご家族の方がお寺まで、葬儀のお布施を持ってきていただくことが多いです。葬儀のお布施を頂いた後にいつも祖母から、「頂いたお布施を、まずお内仏(ないぶつ)にお供えしなさい」と言われてきました。
 一人で葬儀をお勤めしていると、どこかで「自分が」お勤めしたという気持ちが沸き起こってきます。そして、知らず知らずのうちに慣れのこころが出てきてしまい、「私が」お勤めしたという慢心(まんしん)のこころが、当たり前になってしまいそうです。
 慢心は、言い方を変えれば「こころのおごり」とも言えるのではないでしょうか。そうした「こころのおごり」は年月を重ねるごとに積み重なり、強くなってしまいます。そして、いつか周りの人を傷つけたり、いやな思いをさせたりしてしまいます。
 人は、どこまでいっても「自分がやりました」という自力の心から、なかなか離れることができません。どこまでいっても「自分が努力をした」という思いを、捨てることができません。日常生活を送っていると、自我に支配されて傲慢(ごうまん)になっていってしまうのかもしれません。それは自分の考えが絶対に正しいと思い込み、思い上がって横柄(おうへい)な態度をとってしまうことです。傲慢は自らを誇り、他を見下し、聞く耳を持たない姿です。親鸞聖人(しんらんしょうにん)は、その自分の努力に執着する心、(おご)りたかぶりの心から離れられない現実に気づきなさいと教えられたのではないでしょうか。
 また、お布施とは仏事(ぶつじ)を行ったことへの対価ではなく、どこまでも仏さまの教えに出遇えた喜びの心を表現したものとして、仏さまへの感謝の気持ちを表しているものと言われています。
 祖母から「頂いたお布施をまずお内仏にお供えしなさい」という言葉に、「お前の行いではないのだよ。すべて阿弥陀(あみだ)様のおはたらきだよ」と教えていただいたように感じます。


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