| № | 放送日 | タイトル | 法 話 |
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| 687 | 2022年２月16日～ | おみおくり | 第11組 長正寺 杉本 晃 |
| 先日、３０数年振りに御門徒様の葬儀を寺院で執り行わせて頂くご縁がありました。近年では、葬儀を葬祭ホールで行うことが多くなり、寺院にて執り行うという機会は随分と少なくなっています。 今回の葬儀はコロナ禍という事情もあり、葬儀は家族などの近親者のみで執り行う形でしたが、故人のお見送り等はぜひ有縁の方々にも遇っていただきたいとの喪主様の御意向により、葬儀終了後に、御近所の方々がお見送りに来られておりました。後日、お見送りをされた方より「故人様には生前大変お世話になりましたので、お見送りに行けて本当によかった。」というお声を頂きました。 近年は家族葬と言われる近親者のみで葬儀を執り行うことが、すっかり主流となってしまっている風潮があります。身近な人だけで送る葬儀はご家族にとって、ご負担は少ないものかも知れません。しかし、親しかった御友人やお知り合いの方々が、故人様の最後をお見送りすることができないということにも繋がっています。 葬儀で亡くなられた方をお見送りすることは、私たちが亡くなられた方をとおして、私たちがいただいているいのちということについて、改めて考えさせて頂く大切な場であります。誰しもがいつかは迎える死という現実を、身近な方をとおして感じて、一同に合掌させて頂く教化の場であるのではないでしょうか。 家族葬などが増えていくことにより、いのちについて考えさせて頂く大切な場が少なくなってしまう失われてしまうということは、寂しく大変残念なことだと思います。 今回、自坊で執行された葬儀では、まさに亡き人をご縁として皆が共にいのちの真実に向かい合うという大切な場を、御遺族と地域の方々が共有できたのではないかと思います。 葬儀の在り方が変容する中であっても、大切な仏縁を少しでも多くの方々に感じて頂ける場を残していくことも、我々の役目ではないかと思わされた今回のご縁でありました。 |
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