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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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 テレホン法話 2022年  

 № 放送日 タイトル 法 話
700 2022年9月1日~ 煩悩の美酒 第10組 西法寺 栗田寛樹
  罪障(ざいしょう)功徳(くどく)(たい)となる  こおりとみずのごとくにて
  こおりおおきにみずおおし さわりおおきに(とく)おおし(『真宗聖典』493頁)
 高僧和讃(こうそうわさん)にこういう御和讃がございます。「罪障」罪と(さわ)りというお言葉が出てまいりますが、「罪」というのは煩悩(ぼんのう)によって生み出されるもののこと、「障り」とは仏のさとりを(さまた)げるものを指しております。ですから、罪や障りというものは言ってみれば、安心(あんじん)を得ていく上で障害になるものです。この安心とは、阿弥陀仏の救いを信じて浄土往生を求めることです。ところが、この御和讃で親鸞様は、「さわりおおきに徳おおし」と言われます。そのような罪や障りが多ければ、また功徳も多いぞと。変なことを仰いますね。
 この頃、私はお酒をよく飲むようになりました。まだ小さい頃は、お酒を飲む大人を見ては、「本当に美味しいのかしら。ジュースの方が絶対美味しいのに。」と思っておりましたが、いつの間にやら「美味しい美味しい」と言って飲んでおります。特に今年は暑い。冷凍庫でキンキンに冷やしたビールをグッと飲み干すと、なんとも言えない気分になります。そうして、良い心地になったところでやめておけばよいのですが、中々そうはいきません。ついつい飲みすぎてしまって、後悔することになります。目が覚めると酷く頭が痛い。気持ちも悪い。喉も乾く。そこでフラフラとお勝手へ行って、冷たい水をガブガブと飲む。そんな時の水がまた実に美味しく感じられます。そして思います。「昨日はちょっと飲みすぎたな」と。けれども喉元過ぎればなんとやら、また同じことを繰り返すことになります。
 思ってみれば、煩悩というものもまさに、このお酒のようなものでございます。我々はこのお酒を飲まずにはおれません。程々で済めばよいのですが、程々で済まないのがこの煩悩という美酒であります。飲みすぎて後悔するところもまた同じ。ふと気付いてみれば自分の(おろ)かな部分、嫌な部分を突き付けられる。「あーなんで自分はこうなんやろうか」と。そう思ったその時に、こんな私を照らす光がある。照らしてくださる仏がある。この御仏(みほとけ)のなんと尊いことでしょうか。その光のなんと有難いことでしょうか。
 私の罪障の大きさと、私を救おうとはたらいてくださる、仏の功徳の大きさに気づかされた時に、『罪障功徳の体となる こおりとみずのごとくにて こおりおおきにみずおおし さわりおおきに徳おおし』と喜ばさせていただいております。南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏


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