テレホン法話(0584-78-3452)TELEPHONE SERMON
№ |
放送日 |
タイトル |
法 話 |
715 |
2023年4月16日~ |
仏に遇うということ |
第16組 存徳寺 徳永智也 |
このテーマは宮戸道雄先生の本のタイトルで、私が若いころに初めて読ませていただき、大変刺激を受け、今でも折々に読み返させていただく名著です。本の前半はご住職として、先生が門徒さんと会話されている様子がそのまま文章となっています。まさに生活の中での仏教の教えがそこにはあり、門徒さんがそこで教えに遇い、仏に遇う。また、先生自身も門徒さんを通して、教えを確かめておられるという姿があります。僧侶としての姿勢を学ばせていただくとともに、門徒さんとのかかわり方、向き合い方を学ばせていただいております。
私は仏教はお寺とか、お聖教をいただくところにあると思っていましたが、ある先生から、「お寺で聞法して、それを確かめるのは生活の中です。」と聞かせていただいたことがありました。その時は「そうなんだ」ぐらいに思っていましたが、本当に教えに遇う、仏に遇うということは生活の中なのだなと、最近改めて実感しております。
今年の真宗教団連合の法語カレンダーの一月の法語に「この世のことは何事も何事もお念仏の助縁」という信楽峻麿先生のお言葉がありました。この法語を見て、ハッとしました。宮戸先生の著書の内容がその具体であるように、私が仏法に遇う、仏に遇うということは一般生活の中なのです。夫婦間でのやり取りや、ご近所や友人との人間関係、また仕事での悩みなど、私たちは生活の中で仏の教えを確かめ実感していくのです。
東本願寺出版から出されている法語カレンダー随想集『今日のことば』の一月の書き出しに「私たちは日頃から、除災招福の気持ちで生きています。」とあります。本当に私たちはご都合主義なのだと痛感させていただくと同時に、そんなことは自分ではわかりようがなく、話を聞いただけでは納得できません。そのことを生活を通して痛感できるということが、まさに仏に遇うことだと確かめさせていただいたことでありますし、自分のことしか考えられない自分に出遇えるということが、大変ありがたいことであると転ずる歩みが、仏に遇う歩みなのだと確かめさせていただきました。 |