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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2023年  

 № 放送日 タイトル 法 話
718 2023年6月1日~ 憎いままに有難い 第2組 碧還寺 奥田幸文
 仏法を聞くとは、どういうことなのでしょうか。どうなるのでしょうか?それは、欲がなくなるのでしょうか?(おこ)らなくなるのでしょうか?文句が出なくなるのでしょうか?
 仏教の中で特に重い煩悩(ぼんのう)三毒(さんどく)と言います。貪欲(とんよく)(むさぼ)り)・瞋恚(しんい)(怒り)・愚痴(ぐち)(愚か)です。これらの煩悩を無くし、素晴らしい人に私はなれるのでしょうか。普段の私達は、世間的な良い人になろうと頑張っています。つまり、煩悩にまみれたままの私であることも、気づいていないのです。だからこそ、頑張れば頑張るほど、そうなれない私に苦しむのです。
 皆さんは過去に嫌な出来事や思い出があり、今でも忘れられない、思い出すと苦しい、(いか)りがこみ上げてくるということはないですか?
 ある方が、「学生時代に一方的な暴力というものに()い、その時の怒りが何十年経っても(おさ)まりません。そして、こんな他人に対して怒りを持ち続ける私がいけない。今会えば何かしてしまいそうで怖い。許せるようにならなければならないが、許すことのできない私が恥ずかしく苦しい。相手はそんなことはすでに忘れているかもしれませんね。」と話してくださいました。
 ある本に、地獄とは(自分の(ごう)で苦しむ)自業苦(じごうく)であると書いてありました。つまり、(まさ)に自分自身が怒りを作り、その怒りに苦しむのであり、周りではなく私の心に自業苦があるのです。
 その方は、「縁あって座談の場で、先の苦悩を話し、仏法に照らして考えさせて頂くことができた」と仰っておられました。そして、「今怒りも(うら)みもあるんですよ。あるのですが、この人のお陰で、こんなにも怒りを治めることのできないのが私であると、気付かせていただきました。ですから、この人は憎たらしいままに、有難い私の(ぶつ)であると感じるようになり、苦しいままなのに、気持ちが楽になりました。」と続けてお話されました。
 仏法とは、自業苦ばかりの私を照らし明らかにしてくださいます。そして、私の中の地獄(自業苦)のまま楽に、そして、私の中の極楽(業苦楽(ごうくらく))も明らかにしてくださるのです。


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