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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2023年  

 № 放送日 タイトル 法 話
724 2023年9月1日~ 浄土の花 第2組 行超寺 兒門 敏
 本年も、日中は外に出るのも危険なほどの酷暑と言われるような日が続きます。そうなりますと、お寺にとってもいくつか大変なことがありまして、その一つに本堂や境内のお墓の仏花が傷むのが早く、一週間も持たずに枯れてしまうということがあります。花を立て換える時には、中の水も腐ってしまっていて、タワシでぬめりを取って、しっかりと綺麗にしてから交換しないと、水がすぐに傷んでしまいます。これが生花ではなく造花だったら、どれだけ手間もかからず楽だろうかと思うこともありました。しかし有り難いことに、近所のご門徒からどうぞ使ってくださいと季節ごとに色々なお花をいただけることもあって、生花で立てたいという気持ちを大切にしています。
 『仏説阿弥陀経』には、
  極楽国土には、七宝(しっぽう)の池あり。八功徳水(はっくどくすい)その中に充満せり。池の底にもっぱら金沙(こんしゃ)をもって地に()けり。(中略)池の中の蓮華(れんげ)、大きさ車輪のごとし。青き色には青き光、黄なる色には黄なる光、赤き色には赤き光、白き色には白き光あり。微妙香潔(みみょうこうけつ)なり。                                (『真宗聖典』126頁)
と、阿弥陀の国にある池とそこに生える蓮の花を述べる一説があります。その池は宝玉(ほうぎょく)で飾られ、常に清らかで身心を豊かにする水で満たされている。しかも、池の底は金の砂で出来ている。また、蓮の花が咲いており、車輪のように大輪で青黄赤白、様々な色がそれぞれ光を放ち、香り高い様子であると説かれます。
 しかし、実際の蓮の池の底は泥で満たされており、泥から栄養を摂ることで蓮は成長します。また、大きく立派な蓮の花ほど、深い泥の中から茎を伸ばして咲いています。浄土の蓮の花が咲く環境とは大きく違うのですが、これこそが極楽と呼ばれる理由なのです。仏教は私たち人間の苦しみ悩みを泥に(たと)えて、そこから立ち上がって目覚めた姿を、蓮の花で表現してくださっています。そして、その苦悩の泥を浄土は尊い価値のある金銀宝玉、清らかな水へと、つまり苦しみを楽に転換させて、私たちの現実の生活の在り方を包み込んでくださっているのです。
 お内仏(ないぶつ)や本堂の内陣(ないじん)のお荘厳は、浄土のすがたかたちを表しています。蓮華を代表として、仏花は浄土のはたらきを私たちに知らせてくださっています。


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