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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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 テレホン法話 2023年  

 № 放送日 タイトル 法 話
729 2023年11月16日~ 声の掛け方 第7組 西照寺 吉田法照
 「まったく最近の若い人は・・・どうなっとるんだ」あなたは、こんな愚痴を言いたくなったことはありますか?
 それは、あるご門徒の方が喫茶店に入った時のことです。その方が座ったテーブルの近くには、小学校低学年ぐらいの子どもが、母親と祖母と一緒に来ていたそうです。問題は、その子が店中を走り回って、我が物顔にはしゃいでいたことです。保護者は、我関せずの知らんぷり。あまりの状況に見かねたその方は、帰り際その子に「ここはお家じゃないんだよ。お店はみんなの場所だから大人しくしてなきゃダメだよ」と優しく叱ったそうです。それでも母親は意に介さず。祖母の方は「怒られちゃったね」と孫を(たしな)めたそうですが、孫にはあまり響いていない様子だったそうです。
 そのことを私に話してくれた時に、その方から冒頭の言葉が出てきました。なんとなくその時の状況が目に浮かぶ様です。「昔は、見知らぬ人にでもきちんと叱ってくれる大人が多かった」と、その方は語っておられました。
 この話を思い返してみますと、その場にいたのが自分だったら、とても声をかけて注意できないだろうなと思うのです。なぜなら、「見ず知らずの相手にいきなり声をかけて、変な人だと思われないだろうか」とか、「声をかけたこちら側が悪者にされやしないか」とか、「そもそも叱り方がわからない」などと考えて躊躇(ちゅうちょ)してしまうからです。これは何も私だけではないはずです。現代に生きる私たちは、お互いに自分を守るため、赤の他人に対して無関心・無干渉な一面を持っているのではないでしょうか。その結果、見えない壁を作ったり、小さな殻の中に閉じこもって孤独・孤立を強めているのではないでしょうか。
 しかし、蓮如上人(れんにょしょうにん)は、
  (おお)せに、「身をすてて、平坐(ひらざ)にて、みなと同坐(どうざ)するは、聖人のおおせに、「四海の信心のひとは、みな兄弟」と、仰せられたれば、われも、その(おん)ことばのごとくなり。   『蓮如上人御一代記聞書(ごいちだいきききがき)』(『真宗聖典』8628ー63頁)
と言われます。いわゆる「同朋(どうぼう)」ということをあらわした言葉です。周りの人を、「とも(友・朋・共)」としてみていく関係です。この言葉からは、自分と他人を分け隔てることのない親鸞聖人(しんらんしょうにん)や蓮如上人のお姿が思い浮かびます。お二人共、教えに自分の在り方を聞いていく生き方をされた方です。私たちも教えに照らされ、自らの無関心・無干渉な心に気づかされることで、自分と他人との関係が「同朋」という間柄になっていくのではないでしょうか。


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