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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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 テレホン法話 2024年  

 № 放送日 タイトル 法 話
746 2024年8月1日~ 無意識の思い込み 第17組 西願寺 永木正意
 皆さん、一度考えてみてください。ある外科医の話です。母を置いて父親と子が日曜日、ドライブを楽しんでいて、交通事故に巻き込まれました。父親は即死し、息子は重傷を負いました。重傷の息子は救急車で病院に運ばれました。待機していた外科の当直医は、運び込まれた少年を見たとたんに「私の息子だ」と叫びました。
 この話を聞いて、すんなりと理解できたでしょうか?理解が出来た方は偏見(へんけん)がない方だということです。多くの方は頭が一瞬混乱されているのではないでしょうか。それは「外科医は男」という思い込みがあるからです。私たちは知識があっても、その知識にとらわれ、自分は間違っていないと思っているから、「外科医は母だ」と思えなかったのです。
 人はつい自分の常識や経験から思い込みをしてしまうものです。自分はこうあるべきだ。子はこうでなければならないというように、その思いをつい押し付けてしまいがちです。そして、その状況と異なった場合に、ストレスや(あせ)りを感じてしまうのです。
 私も思い込みによる失敗をしてきました。長男は幼少期、絵をかいたり歌を歌ったりと外遊びに行くよりも家の中にいることが好きな子でした。私はつい「男の子ならで外へ遊びに行きなさい」と言ってしまったことがありました。その後、長男は委縮(いしゅく)し、家の中で自由に遊ばなくなってしまった時がありました。そんな時、妻から「この子は家遊びで(つちか)ったものを幼稚園でクラスの子に話したり、一緒に実践(じっせん)することで友達を作っているから、好きにやらせてあげて」と伝えられました。その時、私は思い込みや偏見(へんけん)で子の可能性や楽しみを(うば)ってしまっていたことに気付かされました。
 この思い込みを解き放つには、自分の心が(とら)われていることを自覚する以外にありません。仏教では、何事にも執われず、様々な思い込みから解放され、物事を正しく見通す智慧(ちえ)を頂くことが大切とされています。つまり、仏法を聞くとは、執われていることに気づいていない私自身の姿を知らされることなのでしょう。
 それ以降は、決して自分の思いのみを一方的に押し付けるのではなく、子と会話し選択を(うなが)すよう心掛けるようにしています。
 誰にでもある無意識な思い込みは自覚がない分、周囲を傷つけてしまうことだと家族を通して学ばせていただくことができました。


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