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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

TEL. 0584-78-3362

〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2024年  

 № 放送日 タイトル 法 話
747 2024年8月16日~ 当たり前 第1組 来光寺 岩田和也
 普段私は消防隊員として働いています。令和6年1月1日、職場で同僚と談笑していると、私はもちろん仲間のスマートフォンから、緊急地震速報のアラームが部屋に鳴り響きました。急いでテレビを点けると、石川県の震源に近い地域のライブ映像が流れていました。そして次の瞬間、いくつかの建物が土煙を上げて倒壊しました。これは只事(ただごと)ではないと、すぐに現地に向かえるように準備を始めました。その3時間後には同僚が、岐阜県隊の一員として現地に向かいました。
 私は1月7日から、岐阜県隊の一員として現地に向かいました。現地に近づくにつれ、倒壊し一階二階部分が潰れて屋根だけになっている建物が、増えていきました。現地まで普段であれば5時間程で到着できる場所ですが、10時間程かかりました。この日、テントで寝袋に入って仮眠をとりましたが、あまりの寒さに、倒壊した建物の中でまだ発見されていない方がみえると思うと、助けに行きたいのに行けないというもどかしい気持ちになりました。そして、4日間の活動を終えて岐阜県へと帰りました。
 帰宅後まず思ったのは、温かいシャワーを浴びれるということが、こんなにも幸せなことなのかということです。4日前までの生活は「当たり前」ではなかったのだと痛感しました。また、災害はいつ誰の上に起こるかはわからないのですが、私に起こることはないだろうと勝手に思い込んでいる部分が私たちにはあるのかもしれません。
 この経験から「当たり前」の反対の言葉が気になり調べてみると「()(がと)う」という言葉でした。この言葉は、仏教語の「有ること(かた)し」「有り難い」からきており、法句経(ほっくきょう)には「人の生を()くるは難しく、やがて死すべきものの、いま命あるはありがたし」と書かれています。
 私もそうですが、帰る家がある。家族と会話できる。お風呂に入れるといった日々の生活の中で感謝を忘れ、それに慣れて「当たり前」になっています。だからこそ、仏教はそんな私たちの在り方を問うとともに、当たり前ではなく、有り難いことなのだと教えてくれているのだと思います。


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真宗大谷派大垣別院開闡寺

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