| № | 放送日 | タイトル | 法 話 |
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| 749 | 2024年９月16日～ | 平均値に振り回される自分の見直しを | 第２組 正受寺 大橋知生 |
| 今や、私たちは、すべてにおいて数値化された中で評価されています。特に平均値というものに振り回されて、一喜一憂しています。 学生の頃は、学力テストにスポーツテスト、身体測定などです。人間一人一人の価値は偏差値では表せないにもかかわらず、他人と比べ、良し悪しを判断してしまいます。最近では、コスパ、タイパという言葉をよくつかわれるようになりました。色々な情報が簡単に手に入るようになり、コストパフォーマンスの良いものを求め、お得なものを突き詰めます。さらに、タイムパフォーマンスの良い生活スタイルをも求めます。 昔から「時は金なり」ということわざがある様に、時は無駄にしないように大切に使うことは大事ですが、行き過ぎると、自分の欲求に振り回され思い通りにならないことにいら立ちを感じることに繋がります。さらに年を重ねると、今度は平均寿命にとらわれます。令和４年厚生労働省の発表によると、男性の平均寿命は８１．０５歳、女性の平均寿命は、８７．０９歳です。こう発表されると、私たちは平均寿命は生きられる年齢と勘違いして、あと、何年生きられると計算します。そして、誰かが亡くなって平均寿命を越してなければ、まだ若いのにと思います。自分も、もし平均寿命前に不治の病に侵されたら、きっとまだ生きられたはずなのにと残念がることでしょう。 このように、数値化されることで、人生設計や生活に役立てられることはたくさんあるとは思いますが、鵜呑みにするのは危険だと思います。その数字を真実と勘違いしてしまうからです、平均値はあくまでも多種多様の平均値なのであって、全員が平均値の所にはいないということです。私たち一人一人は、基準値ではないことに気づき、真実に向き合う生活を送らないと、平均値やコスパを求めすぎて、大切な人の死に直面した時も、葬儀はカットされ、火葬のみのお別れ会にもなっています。お寺はコスパが悪いところと思われて、さらに、お話を聞くのもお経を読んでもらうのも時間がかかり、タイパも悪いところだと思われ、敬遠されています。 しかし、私たち一人一人は平均値ではないいのちをいただいています。その真実に気づくには、毎日の忙しく流された生活の中では、なかなか難しいものです。真実に向き合う場所こそが、お寺であり、お寺にご縁を頂いたならば、是非、そのご縁を大切にして、お話を聞くことをお勧めします。そうすることで、生かされているいのちに感謝しつつ生きていく事が出来るのではないでしょうか。 |
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