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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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 テレホン法話 2025年  

 № 放送日 タイトル 法 話
768 2025年7月1日~ 「食べ物」ではなく
「いのち」
第16組 中島寺 水谷琢磨
 私には現在、六歳の息子と四歳と二歳の娘がいます。子どもの成長というのはとても早く、また子育てというのは親自身も共に育てられていると感じることが増えてきました。
 先日、子どもたちと一緒に妻に作っていただいた夕食を食べていた際、娘がウインナーを残していました。私はもちろん「しっかり食べなさい。『食べ物』が勿体無いよ。」と注意しなんとか食べさせました。しかし、何気なく言った私の言葉でありますが、私の素が出た言葉であったと言った後から気付かされました。どういうことかと言うと、ウインナーは「食べ物」ではなく「いのち」なのです。加工され、調理され、食べるときには全く違う見た目をしていても、私や子どもたちと同じ「いのち」だったのです。今回の私から出た言葉で改めて私自身の認識の薄さを痛感しました。
 ここで一つ「いのち」に対して書かれた詩を紹介したいと思います。
  おおきなさかなはおおきなくちで  ちゅうくらいのさかなをたべ
  ちゅうくらいのさかなは  ちいさなさかなをたべ
  ちいさなさかなは  もっとちいさなさかなをたべ
  いのちはいのちをいけにえとして ひかりかがやく
  しあわせはふしあわせをやしないとして はなひらく
  どんなよろこびのふかいうみにも ひとつぶのなみだが
  とけていないということはない            (『黄金の魚』 谷川俊太郎)
 私たちは生きていくためには、他の生き物からいのちをいただいて生きています。そして、私たちの幸せという影には、きっと誰かの不幸せ、涙があるということにも頷けるのではないでしょうか?
 またどんないのちでもいのちをつなぐために、他のいのちを抹殺してきたという事実に 立ったときに、改めて「いのち」そのものの罪の重さに気づくと思います。
 私達というのは普段自分の力で生きていると考えがちだと思います。しかし、実際たくさんの「いのち」やいろんな方の苦労によって、「生かされている」のではないでしょうか。この「生かされている」という事実に頷けたときに、自然と頭が下がり手が合わさるのだと思います。
 日々の生活の中で、このようなご縁はたくさん私たちに与えられていますが、私たちは気づこうともしていません。そんな私たちに「気づけよ、気付けよ」と声をかけてくださるのが阿弥陀さんです。そしてその声が、南無阿弥陀仏として今私に届いているのではないでしょいうか。



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