№ | 放送日 | タイトル | 法 話 |
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774 | 2025年10月1日~ | AI時代と法話の意味 | 第18組 常休寺 黒田法潤 |
近ごろ、「ChatGPT(チャットジーピーティー)」という人工知能(AI)が話題になっています。ニュースなどで耳にしたことがある方もおられるでしょうし、すでに調べものや仕事、勉強などに活用している方も少なくないと思います。 実は、この法話の原稿もChatGPTを活用しながら作っています。例えば、文章の組み立てや言葉の言い回しについて相談すると、伝わりやすい表現を提案してくれるので、とても便利です。さらに、極端なことを言えば、すべてをChatGPTに任せて原稿を完成させることさえできるのです。 そうすれば、手間も省けますし、聞いていただく(読んでいただく)皆さんにも分かりやすい法話をお届けできるかもしれません。 しかし、法話は何のために、そして誰のためにあるのでしょうか。もちろん、誰かに聞いていただくため、読んでいただくためということがあります。けれども、決して忘れてはならないこととして、法話をするこの私自身のためだということがあると思うのです。 確かに、AIにすべて任せれば効率的ですし、ひょっとしたら人から「良い法話だった」と褒めてもらえることもあるかもしれません。しかし、それで私自身は教えと出遇えるのでしょうか。法話をする機会をいただくということは、教えと向き合い、考える機会をいただくということにほかならないと思うのです。それを自ら放棄してしまっては、法話の大切な意味が全くなくなってしまうと思います。 だからこそ、AIがどれだけ便利であっても「すぐに答えを求めてしまう私」である危うさを忘れてはいけないと思います。単なる知識としての「答え」ではなく、そこに至るための「問い」そのものが大切なのではないでしょうか。 問いを抱き続ける中で、はじめて教えに出遇えるのでは、と私は思うのです。 |
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