放送日 | タイトル | 法 話 | |
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522 | 2015年4月1日〜 | 第16組中島寺 水谷正人 | |
浄土真宗のお寺やお 色も形もないということで、私がふと考えるのは、季節はずれですが台風のことです。台風がやってくると、横殴りの雨を降らし、強風で木々を揺らしたり倒したり、看板を飛ばしたりといろいろな被害を出します。その台風は文字にすると台に風と書き、天気図では、○の中に台と書いて位置や規模を表します。しかし、文字や天気図は台風そのものではありません。あくまでわれわれ人間が考え、理解できるようにとあらわされたものです。 実際に台風がやって来て、暴風雨でさまざまなものが吹き飛ばされ被害が出るのは、台風の起こした現象であって、台風そのものというよりはある意味、台風が来たしるしです。台風そのものは熱帯低気圧で色も形もないのでしょう。 では、阿弥陀さんはどうでしょうか。 南無阿弥陀仏という、阿弥陀様を六つの文字で表したものは 絵像のご本尊や木像のご本尊は、掛け軸に書かれた絵や彫刻のお姿としてあらわされた阿弥陀様。それらは親鸞聖人によって明らかにされ伝えられてきた南無阿弥陀仏の教えが、文字や絵、彫刻で表現され、あらわれ出た姿です。それは具体的なものがないと、手を合わせ念仏することができない私たちのためのお姿ともいえるのでしょう。それでは、実際に阿弥陀さまがいらっしゃるというしるしは何でしょうか。 私達 そして法事ともなると、施主よりご案内があり、有縁の方々は万障繰り合わせつどい、手を合わせお参りします。法事の場は、私たちの故人を思う気持ちや、それまでに来てもらったり世話になったりという義理的なものまで含まれて、ある意味成り立っているのでしょう。しかし、それだけでしょうか。私たちが法事にお参りするのは、実は私たちの考えや思いよりもっと深いところで、心を動かし、身を運ばせ、手をあわさせているものがあるからなのではないでしょうか。 一人一人がさまざまな気持ちでお参りしながらも、出来上がっている法事などの仏事の場は、阿弥陀さんが実際に私たちの身や心にあらわれ出ているしるしであり、阿弥陀様がいらっしゃるあかしでもあるのではないでしょうか。 |
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