放送日 | タイトル | 法 話 | |
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528 | 2015年7月1日〜 | 第14組林覚寺 大橋善道 | |
毎日、テレビでは健康食品のオンパレードであります。ヒアルロン酸、グルコサミン&コンドロイチン、しじみエキス、黒酢サプリ等々。ついつい見入ってしまいます。 私自身のことですが、急に右膝が痛くなって正座が困難になりました。その後、無理して座っているうちに正座が出来なくなり、シップを貼ってしのいでいましたが、一向に治らず、何とかしなくてはと思い、ついに病院で3回ほどヒアルロン酸を注射して治療をしました。並行して、リハビリをして筋肉をつける運動もしました。突然、当たり前のように正座していたことが出来なくなり、歩くことも困難になり、膝を自然にカバーするので、腰痛も酷くなりました。原因は、運動不足と昔鍛えた筋肉が弱っていることも原因の一つだそうです。 また、2.0あった視力も仕事などでパソコンを使用する影響で、眼鏡が必要になり、おまけに最近は老眼になってきました。気持ちは若い気でいるのに、体はいうことをききません。ご門徒さんと話していると「まだまだ若いから大丈夫」と言われますが、私は、なかなかこの事実を引き受けることができません。 しかしながら、この世を生きるということは、何れわが身は老いて、病んで、死することから逃れられません。今の事実を「ありのまま」と引き受けていくことが大事になります。いのちは、長い短いという問題でなく、色々あったが、本当に生きてきてよかったといえることなのでしょう。 私の好きな東井義雄先生の「老」という詩を紹介させていただきます。 「老」は 失われていく過程のことではあるけれども得させてもらう過程でもある 視力はだんだん失われていくが 花がだんだん美しく不思議に見させてもらえるようになる 聴力はだんだん失われていくが ものいわぬ花の声が聞こえるようになる 蟻の声が聞こえるようになる みみずの声が聞こえるようになる 体力は どんどん失われていくが あたりまえであることのただごとでなさが体中にわからせてもらえるようになる 失われていくことはさみしいが 得させていただくことは よろこび 「老」のよろこびは 得させていただくよろこび いつか、善し悪しを通り超えて、「得させていただくよろこび」と言えるよう、日々生かされていることを感じてゆきたいものです。 |
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