放送日 | タイトル | 法 話 | |
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530 | 2015年8月1日〜 | 第13組蓮光寺 日野生子 | |
甥っ子は頭を丸刈りにしています。そして、真っ黒に日焼けしています。 先日、甥っ子が家族で大垣祭りに遊びに行った時のことです。露天のお店のお兄さんが、甥っ子を見て嬉しそうに、「君は野球少年だね、きっとそうだね、ボールを投げるゲームをしていかないかな?」と話しかけてきたそうです。しかし、甥っ子は答えられませんでした。 実は、甥っ子はサッカー少年なのです。親は勧めないのに、格好いいし、頭を洗うのが楽だからと丸刈りにしているのです。毎日サッカーボールを追いかけ、走り回り、真っ黒に日焼けしているのです。だから、甥っ子は野球少年と言われたことが、悲しかったのです。 人のセンス、好み、外見、生活習慣は、どう作られるのでしょうか。親のしつけ、家庭環境、地域の慣習、学校教育、世の中の流行、そして、そこで作られたその人の生き方でしょうか。 甥っ子は、親が勧める野球やバスケを選ばずに、サッカーを始めたのです。そしてそれにふさわしい丸刈りの頭を選んだのです。 多くの人は尊敬する人や憧れることに出会うと、自分もそうなりたいと願い、服装や振る舞い、行動パターン、言葉遣いなどを真似て少しでも成長していこうとします。子供のうちは、例えばサッカーならうまく楽しくプレーをしたいというだけですが、大人に近づくにしたがって、欲が出てきて、隣の子に勝ちたいとか、進路に結びつけたいとかと思うようになります。悲しいことです。 夫は、「甥っ子がワールドカップにでるような世界的な選手になるといい、その叔父だと言えるから」と言いますが、私は、甥っ子が、サッカーを楽しんでくれるのが一番だと思っています。 |
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