放送日 | タイトル | 法 話 | |
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535 | 2015年10月16日〜 | 第14組善正寺 吹原美由紀 | |
私には、心の病や知的障害と戦っている友だちが沢山います。その人たちから、よく耳にする言葉があります。それは「立派な人になりたい訳じゃないの。普通の人になりたいだけ。」というものです。 当たり前に身の回りの なぜ、それほど辛く苦しい思いをしなければならないのかを尋ねると、子どもの頃から当たり前の事ができない人間は「ダメ人間」と教えられたことにありました。自己否定を重ねながら生きてゆかなければならないことは本当に悲しい事です。 「当たり前」のものさしはどんな大きさなのでしょう。 子どもの頃から病院で治療を受けている友だちが最近検査を受けました。彼女は二十代半ばで、幼い子どもを持つお母さんです。検査で幾つかの知的障害があると分かりました。並べられた病名の多さに彼女はショックを受けましたが、主治医の先生が「今まで頑張ってきたね。生きづらかったでしょう。」と、言ってくださった言葉に救われたと話してくれました。 もしかして私たちは、知らぬ間に誰かにとって生きづらい社会を作っているかもしれない。小さなものさしで作られた「当たり前」を 金子みすゞさんの詩の一節に「みんなちがって みんないい」というのがあります。誰にとっても生きやすい世の中が作られれば、心の問題に対する知識がもっと広がれば、そんなことを思いながら戦う友人たちと共に泣き笑いを繰り返し、今日も未来を描いております。 |
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