放送日 | タイトル | 法 話 | |
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665 | 2021年3月16日〜 | 亡き人の姿を拝見して | 第16組 教覚寺 安田英樹 |
私は 今になって思うのは、人が亡くなるところに出会いたくなかったのだと思っています。今でも、亡き人の姿を拝見すると怖いと思うことがあります。寺の住職が、亡き人の姿が怖いと思うことがどうなのかと考えることもありますが、私自身、大事なことだと思っています。 亡き人の姿を拝見すると怖いと思ってしまう感情は、私自身にも死が訪れるということが、つきつけられるからなのではないかと思っています。常識として必ず人は死んでいくということは分かっています。しかし、他人事として、その中に自分自身が入っていません。人が死んでいくということは他人事ではなく、私事だったのだということが亡き人の姿を拝見することによって、気付かされるのではないでしょうか。亡き人の姿に私の姿を重ねて、私も死んでいく身なのだという自覚が起こるといった、ご縁ではないかと思っています。 どこまでいっても他人事として受け止めてしまう自分に対し、亡くなった人が自身の姿を通して、他人事ではなくあなた自身の問題ですよと語りかけているのではないでしょうか。 亡き人のご縁によって、普段考えることのない私の死という触れたくないことを考えることによって、本当の問題に気づき新たな歩みが始まるのかと思います。 どなたかのお話で聞いた、『葬儀は私の死を自覚する場』という言葉が耳に残っており、その言葉の意味をもっと深めていければと思います。 |
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