放送日 | タイトル | 法 話 | |
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667 | 2021年4月16日〜 | うさぎ | 第18組 栄通寺 黒田朋見 |
昨年の10月に、長年飼っていたうさぎが亡くなりました。12歳6ヶ月の命でした。赤ちゃんうさぎの頃から可愛がっていたうさぎでした。ついこの間まで、私の部屋で元気に飛び跳ねていました。 寄る年波には勝てず、亡くなる半年前から自分で起き上がれなくなり、寝たきりになりました。自分で食事も出来ません。口元に餌を運んだり、水を飲ませたり。排泄で体を汚してしまい、体を拭いたり。自分で出来ないことが増えていきました。病院にも二週間に一回行き、食欲がなく痩せすぎたときは点滴を打ってもらいました。留守にすると心配で、家族で交代で世話をしました。元気だった頃を知っているので、可哀想に思いました。しかし、必死で餌を食べる姿に私は元気をもらいました。 亡くなったのは早朝でした。息苦しそうにして水もおやつも食べないので、かかりつけの病院に行こうか迷いました。何とかしてあげたいと思い、迷いながら処方されていた薬を与えたとき、今まで聞いたことのない声でうさぎが叫びました。今でもその声が耳に残っています。「もういいよ」という意味なのか、苦しいのか。亡くなる直前にうさぎは大声を出すとお医者さんから聞いていたので、このことかと思いました。夢中で呼びかけましたが、反応はありません。臨終が迫っていることは理解していましたが、信じたくありませんでした。 そのあと、痙攣をおこし、私の腕の中で息絶えました。とても安らかな表情に見えました。だんだん体は冷たくなっていきました。家族でお別れのお勤めをし、翌日庭に埋めました。花を供え、今も手を合わせています。うさぎを病院に連れていくときに通った道は、思い出して辛くなるので、今は通らないようにしています。 「いのちのはかりにかけると、動物も人も同じ重さだ」というお話を聞いて感動したことがあります。亡くなったうさぎは年老いた体になっても文句一つ言わず、精一杯自分の与えられた命を全うしました。私なら思い通りに動けない自分を、受け入れられなかったと思います。些細なことでも、自分の思うようにならないとイライラしてしまうことばかりです。こんな私の姿をうつし出す「鏡」のような存在に、うさぎはなってくれました。私とのご縁を結んでくれたうさぎに、今でも感謝しています。 |
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