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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

TEL. 0584-78-3362

〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2021年  

 № 放送日 タイトル 法 話
678 2021年10月1日~ 選び、嫌い、見捨てる私 第11組 法忍寺 皆田世英
 「あなたが今、無くなると一番困る物は何ですか?」そう聞かれたら、私は間違いなく「自分のスマートフォンです」と答えます。いろんな人とのやりとりの記録やスケジュール、キャッシュレス決済のアプリなど、生活に必要なものが全部詰まっており、現在の私の一部といっても過言ではないほど、無くてはならないものになっています。忘れて外出してしまうと、焦って全く落ち着きがなくなってしまうのは私だけではなく、現代人の七割がスマホ依存症と言われるように、現代を生きる多くの人は、そういう傾向にあるのではないかと思います。
 その便利なスマートフォン、わからないことがあればすぐに調べることができますし、文字で理解できなければ動画で検索することもできます。だいたいのことが小さな画面上で一発で解決します。さらには、自分が検索した内容がスマートフォンのシステムに記憶され、事あるごとに「あなたへのおすすめ」として、自分の興味のあるカテゴリーの情報が私に提示されるのです。気が付くと、インターネットのページには自分の興味のあることや、好きな情報が溢れているという状況が出来上がっています。一見それは自分の好きなものに囲まれて、気持ちのいい世界のように見えますが、それは同時に、自分の興味のない情報、見たくないものを排除しているということにもなります。
 これは私達の人と人の関係においても、同じ事が言えるのではないでしょうか。自分と意見の合う人や価値観の合う人とは仲良くしたいと思い、逆に意見が合わず、自分にとって都合の悪い人とは、出来るだけ関わりたくないし排除しようとする。それができない場合は、自分の正しさを相手に押し付けて制圧したいとすら思います。以前「自分と違う意見の人こそ丁寧に接しなければならない」と聞いたことがあります。とてもうなずかされる言葉でした。しかし、それはそう簡単にできるものではありません。なぜなら、日常生活の中で、常に自分と他人を比べることに終始している私たちは、この事に気がつくことが難しいからです。これが人間の根性だと思うのです。だからこそ、「選ばず、嫌わず、見捨てず」という如来の心に触れ、教えを聞き続けていくということの大切さに気付かされます。


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