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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

TEL. 0584-78-3362

〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2021年  

 № 放送日 タイトル 法 話
681 2021年11月16日~ 生きづらさを変える感覚 第6組 覚養寺 竹中裕太郎
 現代は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、全ての人の生活においてこれまでにはなかった障害が常にたちはだかっています。密を避けることや外出自粛の呼びかけにより出会いの場は制限され、いくら携帯電話やインターネットやズームなどの環境が整っているとはいっても、人と人とのつながりを大切にするのが、非常に困難な時代となっています。
 私が普段勤めている認定子ども園におきましても感染防止の意識が強まり、職員だけでなく、子どもたち全員にマスクの着用をお願いすることとなりました。しかし、マスクをお互いに着用してのこども園での生活は、違和感と不便さを感じずにはいられないものでした。マスクを着けることによって、子どもたちに声がはっきりと届きにくいだけではなく、子どもたちの表情が読み取りづらいことや、先生側の表情も子どもたちに見えづらいことが、思っていた以上に保育においての障害となったのです。今までの自分が子どもたちと接する時、無意識に言葉だけではなく、その時の表情や仕草を大切にしていたのだと気づかされ、それが上手くいかないことに不安を感じずにはいられません。このことは、こども園のみに限らず社会における様々な場においても、私と同じ不安感に(さいな)まれる人は多いのではないかと思います。
 私は漠然(ばくぜん)とした不安や不満を抱えながら毎日を過ごしていましたが、思うように言葉が伝わらない苛立(いらだ)ちや、子どもたちと同じテーブルで笑って食事をすることもできない寂しさを、ある先生に何気ない気持ちで打ち明けた時、ハッとするような言葉を頂きました。その先生は優しく(うなず)きながら、私の思いを一通り聞き終わると、「私も先生と同じように思っていたよ。もっと子どもたちを近くに感じたいよね。」と共感してくださり、続けて「でも、今回のことがきっかけで、子どもたちの表情を見てあげることや、話しかける時の自分の表情の大切さに気付けたことが有難いね。」と言ってくださいました。この言葉を聞いた時、自分の中のモヤモヤしていたものがパッと晴れたような感覚になり、マイナスだとしか思えない現状を『ありがたい』こととして頂いていける先生の感じ方、引き受け方に心から感動しました。
 違和感や不便さで(あふ)れかえっている今の時代ではありますが、マイナスと感じるようなことであっても、大切なことに気づくための『一つのご縁』として出会っていける、この先生のような感覚が今を生きる私たちには、求められているのではないでしょうか。


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真宗大谷派大垣別院開闡寺

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