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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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 テレホン法話 2022年  

 № 放送日 タイトル 法 話
691 2022年4月16日~ 弱さでつながる 第13組 楽邦寺 禿 奈穂
 私は人とのつながりを思う時「弱さでつながる」ということが、真宗的ではないかと考えています。あらゆるところで分断が進む社会において、人びとがつながりあって、いきいきと生きるために必要なことが「弱さでつながる」ということではないかと思います。そのヒントは、社会福祉法人「浦河(うらかわ)べてるの家」から頂きました。べてるの家とは、1984年に設立された、北海道浦河町にある精神障害等をかかえた当事者の地域活動拠点だそうです。
 私が、統合失調症という病気になって(ふさ)いでいた時に、母が職場の友人から勧められた本が『べてるの家の「非」援助論』です。その本の中に、こういった一節があります。
  弱さとは、強さが弱体化したものではない。弱さとは、強さにむかうための一つのプロセスでもない。弱さには弱さとしての意味があり、価値がある。このように、べてるの家には独特の「弱さの文化」がある。「強いこと」「正しいこと」に支配された価値のなかで「人間とは弱いものなのだ」という事実に向き合い、そのなかで「弱さ」のもつ可能性と底力を用いた生き方を選択する。
                      (『べてるの家の「非」援助論』)
 私はこの一節に真宗を感じました。『「人間とは弱いものなのだ」という事実』、それはまさに「人間とは皆凡夫である」ということではないでしょうか。弱さを内包していない人間、凡夫でない人間など存在するでしょうか。皆凡夫なのです。阿弥陀仏は凡夫である私たちを、念仏申せばみな救うとしました。凡夫である私たちこそが皆救われるべき、尊ばれるべき存在ということです。それは、阿弥陀仏の絶対的平等であり、絶対的基本的人権ともいえます。そのことは、私たちに人とのつながりを築くうえで、一番重要なことを教えています。
 私は真宗門徒として、弱さつまり凡夫という点で私たち人間はみな同じなのだという視点、そしてその凡夫を阿弥陀様は、平等に救いたいとおっしゃったのだという自覚をもちたいものです。このことを私は日常のキーワードとしては「弱さでつながる」という言葉でこころにとめています。南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。


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