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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

TEL. 0584-78-3362

〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2022年  

 № 放送日 タイトル 法 話
693 2022年5月15日~ いろもかたちもましまさず 第18組 隨願寺 諏訪邦充
 新型コロナウイルスが流行するようになってもう3年になります。わたしの周りでも、実際にコロナに感染した人もいます。中には、感染により命を終えていかれた方もおられます。いま少しづつ感染される方の数が減っていっているとはいえ、決して油断できるような状況ではありません。
 そのような状況下ではありますが、有難い事にお寺は日常を取り戻しつつあります。お定飯にもご法事にも、寄せていただけるようになりました。しかし、まだ日常生活の中では、皆さんマスクもしっかりされています。手洗い消毒も欠かしません。ワクチンもほとんどの方が、3回目の接種を終えています。なぜそこまで用心できるのでしょう。それは私の命を脅かすウイルスが、目に見えないからでしょう。触ることも出来ないからでしょう。人は、姿かたちが見えないという事に対して、不安を抱くものです。
 私たち真宗門徒は、摂取不捨(せっしゅふしゃ)(おさめとって捨てない)とお誓い下さっている、阿弥陀さまを信仰の拠り所としています。しかし、日ごろ手を合わせている阿弥陀さまも、実際の姿や形は見ることが出来ません。浄土真宗をお開きになられた親鸞聖人は、『唯信鈔文意(ゆいしんしょうもんい)』という書物の中で
  法性(ほっしょう)すなわち法身(ほっしん)なり。法身は、いろもなし、かたちもましまさず。しかれば、こころもおよばれず。ことばもたえたり。
                     (『真宗聖典』554頁)
とお示し下さっています。「法身」とはご本尊の阿弥陀様のまことのお姿です。「いろもなし、かたちもましまさず」とは、色も形もないということです。色もないという事は、私の目では見ることが出来ないという事です。形もないという事は、この手で触れることが出来ないという事です。色も形もないものを、私たちは容易に信じることが出来ません。そんな私たちの為に、真宗門徒の家には「お内仏(ないぶつ)」があります。お内仏の姿は、仏さまの世界。お浄土の姿です。中心にご本尊を安置し、お仏花を飾り、お蝋燭に火を灯し、お香を焚く。これらは誰かの為にすることではありません。色も形も確かめられない事を不安に思う、私の拠り所を(あきら)かにするためです。
 近ごろ「後が困るから」と、お内仏を置かないお宅も聞くようになりました。常に変化していく私たちの現実の世界の中で、決して変わらない拠り所として、手を合わせる場所が有る事と無い事、どちらが困るでしょう?今一度考えてみてはいかがでしょうか。合掌


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