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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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 テレホン法話 2022年  

 № 放送日 タイトル 法 話
702 2022年10月1日~ 真宗門徒にとってのご本尊を考える 第12組 極念寺 日比尭正
 皆さん、真宗におけるご本尊は何でしょうか?「それは阿弥陀如来という仏さまですよ。」「お寺やお内仏(ないぶつ)の中心に立っておられる方ですよ。」と言われる方もあるでしょう。確かにその通りです。では、阿弥陀様という仏さまは、一体私たちにとっての何なのでしょうか?
 まずはじめに、阿弥陀様は様々な形で私達の周りに示されています。例えば、お寺の本堂には阿弥陀様が、私たちの方を向いて立っておられます。これは、木で作られた像、木像(もくぞう)です。また、皆さんのお宅のお内仏には、掛け軸に描かれた絵の像「絵像(えぞう)」があると思います。また、お宅によっては絵像の両脇に「帰命尽十方無碍光如来(きみょうじんじっぽうむげこうにょらい)」、「南無不可思議光如来(なむふかしぎこうにょらい)」というお軸があるでしょう。これは、十字名号(じゅうじみょうごう)九字名号(くじみょうごう)といいます。「尽十方無碍光如来」や「不可思議光如来」というのは、阿弥陀様の「阿弥陀」の意味を表した名前、名号です。そして、もちろん「なまんだぶ」も「南無阿弥陀仏」が形を変えたものです。私たちが手を合わせるところには、木像・絵像・名号・お念仏といった形で阿弥陀如来のお姿が示されており、それを見て、聞いて、称えています。
 では、なぜ手を合わせるのでしょうか。お内仏のご本尊の裏に、実は必ず「方便法身尊形(ほうべんほっしんそんぎょう)」という裏書(うらがき)があります。これは、阿弥陀仏の尊き願いを絵像という一つの形で表したものということです。私たちは「阿弥陀如来」による願い、はたらきに対して、讃嘆(さんたん)し感謝する形として、毎日手を合わせてお勤めをしているのです。
 例えば、朝夕のお勤めをしたら何か願い事が叶うとか、良くないことが良い方向へ変化するとかそういう事ではありません。お勤めをし手を合わせている時、きっと様々な思い、考えが頭の中をめぐるでしょう。そうした、様々めぐるご自身の思いの中に、私自身がどうしたいのかという「私」の問いが生まれ、その問いから少しずつ、日々生きている私自身をとりまく阿弥陀様の「あなたがあなたのままでああれ」という願いやはたらきに、改めて出遇いなおすことができるかもしれません。
 形のある何かにとらわれるのではなく、仏様の願いやはたらきを、目に見える形として表現しているのが、ご本尊なのではないでしょうか。皆さんが手を合わせるのは、形ではなく、はたらきなのだと私は考えております。


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