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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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 テレホン法話 2023年  

 № 放送日 タイトル 法 話
712 2023年3月1日~ 問うことにこそ意味がある 第18組 常休寺 黒田法潤
「黒田ぁ、お前はすぐに〈答え〉だけを欲しがる。もっと〈問い〉を大切にしなさい。」私が高校生の時に、ある先生が私の勉強への姿勢に対してかけてきた言葉です。なぜなのだろうと問いを持つことが、どうして大切なのでしょうか。頭の中に時折いまだに(よみがえ)ってきては、それをよく考えなさいと言われているような気がします。答えや正解を知っていることはもちろん大切なことです。しかし、答えや正解を知っていても、その「答え」に納得できているのでしょうか。また、その「答え」が生きる力になっているのでしょうか。そうでなければ、「答え」を知っていても大して意味を持たないのではないでしょうか。
 釈尊(しゃくそん)の教えに出あった人たちのエピソードの中には、悩んだり、間違った方向に進んだりして苦しんでいる人たちに対して釈尊が、「答え」を教えるのではなく、「問い」を与えている場面がいくつかあります。例えば、亡くなった我が子をなんとか生き返らせてほしいと頼む母親には、「どこかで芥子(けし)の種を三粒もらってきなさい。ただし、今までに一度も葬式を行ったことのない家に限りますよ」と教えます。また、人を殺せばさとりが完成するという嘘の教えに踊らされ、次々に人を殺していた青年には「動いているのは、あなたの心ではないですか」と問いかけます。「人は生き返らない」「人を殺すことは間違っている」という「答え」を教えるのではなく、その「答え」に自分自身でたどり着くための「問い」を釈尊は彼(彼女)らに与えたのです。そして、彼(彼女)らは、釈尊の言葉をもとに、悩みもがきながらも自分自身でよく考え、ついに大切なことに気がついていきます。
 釈尊が「答え」を与えなかったのは、苦悩を(かか)えた者がその苦悩と向き合い、自分自身でよく考える(問う)ことにこそ意味があるからではないでしょうか。そして、問いを通して気がつくことのできた「答え」が、はじめて生きる力となっていくのではないでしょうか。冒頭に紹介した言葉もそのことを教えようとしているのだと思います。


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真宗大谷派大垣別院開闡寺

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