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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

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 テレホン法話 2023年  

 № 放送日 タイトル 法 話
727 2023年10月16日~ AIの新時代に思うこと 第12組 明覺寺 金森佳之
 ここ一年でよく聞くようになった言葉のひとつにAIがあります。「オートインテリジェンス」の略で、日本語でいえば人工知能ですが、何がこんなに騒がれているのかといえば、今までは決まった質問に決まった答えを返す程度のものであったのに対し、自由に話し言葉で問いかければ、それに合わせた返答をくれるレベルのものが、突然世間に公開されたことがとてつもない衝撃をもって、受け止められているということなのです。
 それはかつてないほどに画期的なことでしょう。なぜなら仕事の進め方から、恋愛の相談、愚痴だってAIが答えてくれます。それどころか今まで人間にしかできないと思われていた創造、ものづくりの分野にもAIは進出しています。文学作品や絵画、作曲などの芸術の分野においても有効であることが分かっており、多くの企業や個人がその活用法を模索しています。
 同時にこれを危機的であるとする考えもあります。実際に先進国の中でも多くの国が、AIを大なり小なり規制しました。人間にしかできないと思われていたことがAIにできるとなれば、それは人間自体のアイデンティティを揺るがす大事(おおごと)です。よく(ちまた)懸念(けねん)されている事柄として、AIに仕事をとってかわられてしまうのではないか、ということがあります。そうなれば少なくない人が、自分の存在意義に疑問を抱くのではないでしょうか。それは人によっては、立っていることすらできないような大変な出来事でしょう。清澤満之(きよざわまんし)先生は
  自己とは何ぞや。これ人世(じんせ)の根本的問題なり。(『清沢全集』第8巻363頁)
と言われます。私の存在意義とは一体何なのでしょうか。仕事でしょうか。家事・家庭でしょうか。誰かの役に立つことといった「社会的生産性がある」ということだけが私の存在意義でしょうか。このことのみを大切にするということは、「社会的生産性がない人」は存在意義がないということになってしまいます。だからこそ、清澤先生は「自己とは何ぞや」と自分の存在意義を確かめるということを、痛烈に表現されていると思います。
 昨今の進化したAIの登場は、単なる危機ではなく「自己とは何ぞや」という、私の存在意義を考える大切な機縁(きえん)なのでしょう。今の自分の在り方を問わずにはいられないという心が起こるとき、ひとつの大切な歩みが始まるのです。


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真宗大谷派大垣別院開闡寺

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